世の中には、いろいろな投資法がありますが、最近の米国株市場の好調もあって、S&P500やNASDAQなどの米国株指数に投資する米国株インデックス投資が最強・最適解であるとの説をよく見かけるようになりました。
S&P500に投資するETFを買って、ほったらかしにしとけば将来は安泰だ、みたいな主張もあるようです。
そんな風潮の中で、高配当株投資は、なんだか肩身が狭いといった感じです(笑)
確かに、総合的に見て、米国株インデックス投資は良い投資法だと思いますが、一方で、高配当株投資はどうなのだろうかと、高配当株投資家の一人として考えました。
もし高配当株投資が、米国株インデックス投資に比べて、かなり劣っているとしたら、自分の投資法も見直す必要がありますので、今回改めて検討してみました。
なお当記事は、特定の投資法が良いとかダメだとか主張するものではなく、一つの考え方を提示するものに過ぎませんので、あらかじめご了承ください。
そもそものきっかけ
そもそも今回のテーマを考えてみたきっかけは、インデックス投資って、おおよそ年率6%くらいのリターンが期待可能と言われているけど、高配当株の配当利回りは年間4%程度あるから、そんなに差がないよなあと、ふと思ったことです。
しかも、高配当株は、増配が行われることによって、取得価格ベースでの配当利回りがどんどんアップしていきます。
高配当株の取得後10~20年後、増配によって、配当利回りが10%を超えることは普通にあり得ます。
この増配の点を考えた時、優良な高配当株の取得後、数年保有しておけば、その年間配当利回りは、インデックス投資の平均リターンである年率6%を余裕で超えていくんじゃないかと思ったんです。
つまり、高配当株投資によって、インデックス投資によるリターンを、かなりの確率で大きく上回ることができるのでは?という私にとってワクワクする仮説が成り立つかも、と考えました。
ただ、投資リターンを考える上で、複利とか税金などについても考慮しなければいけないので、以下で検証してみたいと思います。
インデックス投資のリターンの想定条件
まず、比較する基準となるインデックス投資のリターンを想定してみます。
一般に、長期投資だと、インデックス投資でのリターンは、平均して年率6%~7%程度という研究結果が出ています。
そこで、今回はある程度保守的に見て、リターンを年率6%と想定します。
高配当株投資のリターンの想定条件
三井住友FGやNTTなどの優良な高配当株の配当利回り(税引前)は、4%~5%程度あります。よって、配当利回り4%(税引前)として今回想定します。
将来、どれくらい増配するかの想定も必要なので、年間の平均増配率を5%と想定します。
例えば、今年1株100円の配当金について、翌年1株105円に増配した場合、増配率5%という計算になります。
ちなみに、三菱商事や三井住友FGなど、減配しない累進配当ブラザーズの直近3年の平均増配率は、6%~20%程度です。
上記の増配率5%の想定が妥当かどうかですが、株価の上昇も、配当金のアップも、その元となる源泉は業績拡大による利益増加であると考えています。会社が稼ぐ利益が増えれば、その分、株価も配当金も増加します。
そして、今回は、上記のようにインデックス投資のリターンを年率6%(=株価上昇=利益増加)と想定している以上、同じ利益増加を源泉とする増配率を5%という数字で想定することは、そんなにおかしいことではないと考えています。
インデックス投資と高配当株投資の比較
インデックス投資と高配当株投資について、それぞれ100万円を当初投資した場合、30年後にどうなっているか、比較してみます。
1.インデックス投資の場合
インデックス投資は、年率6%のリターンを想定しましたので、当初100万円の投資が30年複利でどうなるか計算します。
現実のケースでは、年によって、上がったり下がったりがありますが、ここでは平均的に毎年6%のリターンと想定します。
100万円×1.06×1.06×・・・を30年後まで繰り返します。
その結果は以下の通りとなりました。
当初100万円の投資額は、
10年後には約180万円
20年後には約320万円
30年後には約570万円
⇒やはり、複利の力は大きいですね。30年後には5.7倍になります。
2.高配当株投資の場合
高配当株投資は、通常の配当利回り(税引前)が4%の想定ですので、当初100万円を高配当株A社に投資したとします。
①購入
A社の株式を株価1,000円で1,000株を購入(1,000円×1,000株=100万円)します。A社は、1株当たり配当金が40円(40円/1,000円=配当利回り4%)です。
②配当金
購入後、1年後に配当金4万円(40円×1,000株=4万円)を受け取れます。
ただし、配当金に税金約20%がかかりますので、税金を差し引かれた後の手取り配当金は32,000円(=4万円×80%)になります。
③配当金の再投資
この手取り配当金32,000円を使って、A社株式を買います。配当金の再投資です。
1年後は、当初投資の時と同じ株価1,000円で購入したとして、32,000円で32株を買えますから、保有株は増えて、合計1,032株となります。
2年後以降も、配当金の再投資を行う想定であり、下記④で増配した手取り配当金を使って、下記⑤で上昇した株価でA社株式を毎年買い増していくという想定になります。
④増配
上記のように、想定条件で年間増配率5%を想定しましたので、1年後1株当たり40円の配当金は、2年後42円(40円×1.05)、3年後44円(42円×1.05)、4年後・・・となります。
⑤株価の上昇
通常、増配を発表すると企業の株価は上昇します。
ここの分をどれくらい見るかですが、当初の配当利回りを4%と想定していますので、増配後の配当利回りが4%になるまで株価が上昇すると想定します。
例えば、上記のように、2年後は42円配当となるため、当初株価1,000円のままだと、配当利回りは4.2%(=42円/1,000円)になります。これが配当利回り4%に戻るまで、株価が上昇すると想定します。
配当金42円/株価1,050円=配当利回り4% ですので、配当金が42円になれば、株価は1,050円に上昇するという想定です。
これは、つまり、毎年の増配率が5%(=42円/40円)である場合、毎年株価は5%上昇(=1,050円/1,000円)すると想定して計算するということを意味します。
⇒以上の想定で、増配・株価上昇・税引後配当金の再投資を毎年繰り返していくと、当初の100万円は以下の通りとなりました。
●高配当株投資
10年後:約210万円
20年後:約470万円
30年後:約1,050万円
⇒そして、上記1の通り、インデックス投資は以下のような結果でしたから、配当金にかかる税金を差し引いた後でも、今回の想定条件では、高配当株投資のリターンの方が圧勝するという試算結果になりました。
●インデックス投資
10年後:約180万円
20年後:約320万円
30年後:約570万円
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まとめ
今回の試算では、高配当株投資がインデックス投資に圧勝する結果となりました。
しかし、当然ですが、この結果は今回の想定条件に基づけば、という前提があります。
想定条件の中でも、特に、増配→株価上昇という条件を置いているところが大きいです。
ただ、増配があれば株価が上がるという前提条件は、通常は実現可能性が高いと考えられますので、結局は「継続的に増配が行われるかどうか」にかかってきます。
つまり、将来的に増配を継続していく企業に投資することができさえすれば、高配当株投資のパフォーマンスは、インデックス投資を軽々と超えていくことになります。
そのような増配を継続する企業を見つけることがなかなか難しいわけですが、減配しない累進配当を長年継続している「累進配当ブラザーズ」への投資が一つの手段になると思います。
さらに、今回の前提では考慮していませんが、日本株の配当金には「配当控除」という税制上の大きなメリットがありますので、高配当株投資は、配当控除を活用できる場合は、より大きなリターンが得られます。
また、今回の想定では、単純化のため、高配当株企業1社と想定していますが、実際は、分散して複数の高配当株に投資するのが通例ですので、分散投資でさらに減配などのリスクを下げられます。
今回検討してみて、高配当株投資もそんなに悪くない、それどころか、高配当株投資は、条件次第で、場合によってはインデックス投資のリターンに圧勝することができるという結果となりました。
今後も、累進配当ブラザーズを中心とした優良な高配当株へ長期的に投資していきたいと思います。
今日も配当生活への道を一歩ずつ進む、ショウでした!
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