配当生活(配当金生活)をするには、多額の元本が必要に思えます。
例えば、1か月30万円の手取り配当金を受け取るためには、税引後の配当利回り3%(=税引前の通常ベースで3.8%)の高配当株を、1億2千万円分保有しなければなりません。
※1億2千万円×3%=360万円/年=30万円/月
こう計算すると、1億2千万円の元本を用意することなど、到底不可能ではないかと感じてしまいます。
しかし、高配当株には素晴らしい特長があります。
それは、「増配が行われることで、自動的に配当利回りと配当金がアップする」ということです。
優良な高配当株企業は、株主還元の意識が高く、毎年のように増配を実施する傾向があります。
そのため、現在の配当利回りが3%でも、増配が継続的に行われると、数年後には配当利回りが5%を軽々と超えていきます。
ですので、たとえ当初の投資元本が少なめであっても、
増配で配当利回りアップ ⇒ 受取り配当金が増える ⇒ 配当生活が可能になる
ということが想定できます。
必要な元本の試算
冒頭の例で考えると、税引後の配当利回りがアップすると、1か月30万円(=年間360万円)の手取り配当金を受け取るために必要となる元本は、どんどん減っていきます。
[年間360万円の手取り配当金を得るために必要な元本の試算]
※配当利回りは税引後
配当利回り3%なら、1億2千万円の元本が必要(1.2億円×3%=360万円/年)
配当利回り4% → 9千万円の元本が必要(9千万円×4%=360万円/年)
配当利回り5% → 7千2百万円の元本(72百万円×5%=360万円/年)
配当利回り6% → 6千万円の元本(6千万円×6%=360万円/年)
配当利回り7% → 5千2百万円の元本(52百万円×7%=360万円/年)
配当利回り8% → 4千5百万円の元本(45百万円×8%=360万円/年)
配当利回り9% → 4千万円の元本(4千万円×9%=360万円/年)
配当利回り10% → 3千6百万円の元本(36百万円×10%=360万円/年)
なんと、配当利回りが3%と10%の場合では、必要元本の差が8千4百万円もあります!
この差は、言うまでもなく、非常に大きいです。
将来、増配が継続して行われるのであれば、毎月30万円の配当金を得るために、冒頭の試算のように1億2千万円も必要ありません。
それより8千4百万円も少ない、3千6百万円で手に入れることができます。
必要な配当利回りの試算
次に、配当利回り10%という数字が現実的なのかどうか、検討してみます。
例えば、現在、高配当株のNTTの配当利回りは約3.7%、直近3年の配当金は以下の通りです。
2019年3月期:90円(前年比20%増)
2020年3月期:95円(前年比5%増)
2021年3月期予想:105円(前年比10%増)
※直近3年の配当金の前年比増加率は、平均11.6%
ここで、試算の仮定条件として、取得時の株価3,000円・配当金120円・配当利回り4%(=税引後の配当利回り3.2%)の高配当株Aを想定します。
また、上記のNTTの実例から、控え目に差し引いて、この高配当株Aは、今後、前年比平均10%の増配が続くと想定します。
[増配シミュレーション] ※増配率10%、配当利回りは税引後で試算
取得時:配当金120円 → 配当利回り3.2%(120円/取得単価3,000円×80%)
1年後:配当金132円 → 配当利回り3.5%(132円/3,000円×80%)
2年後:配当金145円 → 配当利回り3.9%(145円/3,000円×80%)
3年後:配当金160円 → 配当利回り4.3%(160円/3,000円×80%)
4年後:配当金176円 → 配当利回り4.7%(176円/3,000円×80%)
5年後:配当金194円 → 配当利回り5.2%(194円/3,000円×80%)
6年後:配当金213円 → 配当利回り5.7%(213円/3,000円×80%)
7年後:配当金234円 → 配当利回り6.2%(234円/3,000円×80%)
8年後:配当金257円 → 配当利回り6.9%(257円/3,000円×80%)
9年後:配当金283円 → 配当利回り7.5%(283円/3,000円×80%)
10年後:配当金311円 → 配当利回り8.3%(311円/3,000円×80%)
11年後:配当金342円 → 配当利回り9.1%(342円/3,000円×80%)
12年後:配当金376円 → 配当利回り10.0%(376円/3,000円×80%)
あくまでもシミュレーションですが、前年比で増配率10%が続けば、12年後には税引後の配当利回りが10%に到達します。
いろいろな条件に左右されることではありますが、税引後の配当利回り10%というのは、上記の通り、現実的に見ても可能なことであると考えられます。
しかも、この期間中、特に何もせず、保有し続けているだけで、税引後の配当利回りが10%になるわけです。
時間(将来の増配)の大きな効果
上記のシミュレーションによると、現時点で税引後の配当利回りが3.2%だとしても、増配が行われることで、何もしなくても12年後には、税引後の配当利回りは10%になっています。
また、シミュレーション上では今後12年間、何もせず保有し続けているだけです。
けれども、実際には何もしないわけではなく、受取り配当金の再投資や給料からの入金、値上がり期待株の売却益からの入金投資などを、積極的に高配当株に対して行います。
その分、配当金もどんどん増えていきますので、12年待たなくても、もっと早く毎月30万円の配当金を達成する可能性も高まります。
高配当株を長期間保有する効果、将来の増配による効果は、非常に大きいです。
ですので、10年~20年という期間で考えれば、毎月30万円の配当金や、それ以上の配当金を得ることは、決して不可能な夢物語ではなく、現実に手が届くことなのです。
配当生活に必要な元本の大きさに、恐れおののき、絶望することはありません。配当生活は、実現できる夢なのですから。
希望を胸に、時間を味方につけて、将来の増配の効果を楽しみましょう。
10年後でも、今20代の方ならまだ30代、今30代なら40代、今40代なら50代、今50代なら60代です。まだまだ若いし、元気な状態でリタイアできます。株式市場の調子次第では、10年も必要ないという幸運なケースもあるでしょう。
もちろん将来のことですので、いろいろなケースが考えられますし、上記の試算通りになるとは限りません。
ですが、ざっくりとしたイメージで、「高配当株を10年~20年間保有し続けると、税引後の配当利回りは10%を超える」という想定で、日々の投資活動を検討し実行していくと、将来良い結果につながると思います。
まとめ
まとめると、配当生活の達成のためには、以下が重要と考えられます。
1.できるだけ早めに(なるべく若いうちに)
2.できるだけ多めに(収入は可能な限り投資資金にする)
3.高配当株を買って持ち続ける(時間を味方にして、増配の効果を最大限に受け取る)
配当生活を目指して、皆さんと一緒に投資活動を頑張っていけたら、とても嬉しいです。
今日も配当生活への道を一歩ずつ進む、ショウでした!
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