【お得】配当控除の税制~高配当株投資をするなら必ず知っておきたい~

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配当金には、税金がかかります。

配当金から税金を引いた後の金額が、実際に私たちが受け取れる手取りの配当金額です。

 

この配当金にかかる税金について、「配当控除」という制度を利用することで、合法的に節税することができます

 

手取りの配当利回り(税引後)の大幅アップにつながりますので、節税はかなり重要です。

 

以下では、厳密な正確性は置いておき、できるだけ分かりやすいように、ざっくりと概要およびイメージを説明します。

 

厳密な解説については、国税庁のタックスアンサーをご参照ください。

 

配当金にかかる税金についての納税方法には、次の2種類があります。

このどちらかの納税方法を選んで税金を支払います。

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1.通常の場合(源泉税、申告分離課税) ※確定申告は不要

配当金には、所得税が約15%、住民税約5%の合計約20%の税金がかかります。

つまり、配当金-税金20%=手取りの配当金(税引後)=配当金の80% になります。

 

投資先の企業からの配当金は、この源泉税を差し引いた残額が、自分の口座に振り込まれます。

 

2.総合課税 ※確定申告が必要

配当金の他、給与やその他の副業などを”全て”含めた年間収入の額を自分の所得(合算所得)として、確定申告します。

総合課税では、この合算所得×法定税率=所得税額になります。

 

法定税率は累進課税制で、所得が多いほど税率も高く、最高で税率45%にもなります。

例えば、合算所得195万円超330万円以下なら税率10%ですが、330万円超695万円以下なら税率20%です。

 

税金の納め方について、上記の1にするか、2にするかを個人投資家は毎年自分で選択することになります。

 

選択といっても、上記1にする場合は、自分では何もすることはありません。

配当金を支払う企業が自動的に差し引いて納税してくれますから、自分は差し引き後の配当金を受け取るだけです。

上記2の総合課税を選択する場合は、税務署に対し、確定申告をする必要があります。

 

【重要】合算所得の金額の多い少ないによって、総合課税が有利な人や、逆に総合課税をすると不利になる人が出てきます。
  • 総合課税をした方がよいかどうかの基準について

総合課税を選択すれば、「配当控除10%」を受けることができます

これが、総合課税の最大のメリットです。

ただし、外国株式の配当金やJ-REITの分配金については、配当控除の適用ができません。

 

配当控除10%の意味は、例えば、合算所得330万円超695万円以下なら、配当所得にかかる所得税率は20%で計算されますが、この税率が20%-10%=10%になるということです!!!

 

配当所得200万円で、その他の所得と合わせた合算所得が600万円だったとすると、

配当所得にかかる所得税は、

・配当控除無し(申告分離課税)の場合:200万円×約20%=所得税額40万円

・配当控除有りの場合:200万円×(20%-10%)=所得税額20万円

 

その差は、20万円にもなります。20万円あれば、できることはたくさんあります。合法的に20万円の税金が戻ってくるなんて、嬉しいですね。

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  • 総合課税のその他のメリット

上記の通り、配当金には、所得税が約15%、住民税約5%の合計約20%の税金がかかっています。

 

このうち、所得税部分のみを総合課税(確定申告が必要)にして、住民税部分は通常の源泉税(確定申告は不要)のままにしておくことができるかについては、従来は実務上の取り扱いが分かれていました。

 

しかし、このたび、所得税部分と住民税部分とで、別々の方法にできるということが、法律で正式に認められました。配当生活を目指す個人投資家にとって、朗報です!

 

これがなぜ朗報かというと、国民健康保険料が安く済むからです。

国民健康保険料は非常に高いため、この点は大きなメリットです。

 

サラリーマンは、健康保険組合への加入ですので、国民健康保険料の話は直接関係ありませんが、将来的に会社を辞めて配当生活を目指すのであれば、この点は後々、大きく関係してきます。自営業の方であれば、現時点でも大きく関係します。

 

配当生活を送っている人(収入が配当金のみ)は、配当金に関して通常の源泉税による方法(確定申告は不要)を選択している場合、地方自治体から見ると、収入がゼロになります。

配当金の源泉税は、申告分離課税で所得から切り離されているので、こうなります。

 

そして、国民健康保険料は地方自治体が決定しますので、この源泉税による場合の国民健康保険料は最低クラス(年間10万円程度)です。

 

しかし、総合課税による確定申告をした場合は、自分の所得額が自分の住んでいる地方自治体に把握されるので、国民健康保険料は所得に応じた額(所得が多いほど高い)となります。

その結果、国民健康保険料が最高クラス(年間90万円程度)になることもあり得ます。

 

このデメリットがあるため、従来は総合課税を選択するかどうか悩ましいものになっていました。

 

ところが、配当金に関して、所得税部分のみを総合課税(確定申告が必要)にして、住民税部分は通常の源泉税(確定申告は不要)のままにしておくことができると、上記の通り法律で決定されたため、この悩みは解消されました。

 

つまり、以下が可能となりました。

所得税部分 ⇒総合課税を選択し、配当控除のメリットを受ける
住民税部分 ⇒通常の源泉税のままを選択し、国民健康保険料に関するメリットを受ける

但し、このダブルメリットを受けるためには、税務署への確定申告の後、自分が居住する地方自治体への申請手続きも必要ですので、お忘れなく。

 

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上記に記載した住民税の申告不要制度は、税制改正によって使えなくなることが決まりましたので、ご注意ください。この申告不要制度が使えるのは、2022年分の所得について2023年に提出する確定申告までです。それ以降は、所得税で総合課税を選択したら、自動的に住民税も総合課税となります。

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  • どの税制度を選択するべきか

収入が多い人が総合課税を選択すると、配当金が合算所得にプラスされることで、適用される所得税率がさらにアップして、不利になる場合があります。

 

この有利・不利の境目ですが、サラリーマンの場合、目安として、配当金や給与・ボーナス等を合計した「合算の課税所得金額が年間900万円以下」であれば、総合課税を選択した方が有利となる(住民税は通常の源泉税のまま)と言われています。税理士さんたちが計算した結果です。

 

逆に900万円超の人は、総合課税を選択すると不利になるので、要注意です。

※なお、申告分離課税の場合、株式の売買で生じた損失と配当所得を損益通算して相殺することで、税金の対象となる所得を小さくする(=税金が安くなる)ことができますが、総合課税を選択すると、損益通算ができないので、留意が必要です。

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まとめ

配当金に関する税制については、

 

A.配当生活者はもちろん、サラリーマンの場合であっても、配当金や給与等を合計した「合算の課税所得金額が年間900万円以下」の人は、下記Bの手続きをすると、税務上のメリットがある。

 

B.手続き

所得税部分:総合課税を選択する(確定申告が必要)

住民税部分:通常の源泉税のままを選択(確定申告は不要だが、自分が居住する地方自治体への手続きが必要)

 

上記に記載した住民税の申告不要制度は、税制改正によって使えなくなることが決まりましたので、ご注意ください。

この申告不要制度が使えるのは、2022年分の所得について「2023年に提出する確定申告まで」です。それ以降は、所得税で総合課税を選択したら、自動的に住民税も総合課税となります。

 

※実際の税務上の取り扱いについては、税務署や税理士にご確認の上、手続きは自己責任で行ってください。

今日も配当生活への道を一歩ずつ進む、ショウでした!

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