よく聞く名言の一つに、「今が人生で一番若い時」というものがあります。
あなたが今20歳でも60歳でも、たとえ何歳であっても、残りの人生で考えれば、今この瞬間こそがあなたの一番若い時ですよ、だから何事も行動するのに遅くはない、行動しましょう、みたいな意味で使われます。
これと同様に、累進配当ならば「今が一番配当が低い時」です。
なぜなら、累進配当は、減配せずに、少なくとも前年配当を維持するか、または増配を行う配当方針だからです。
累進配当ならば、今の配当金の額を出発点として、右肩上がりの傾向で増えていきます。だから、将来から振り返ってみれば、「今」の配当金が一番低い額です。
だとすれば、累進配当の高配当株であれば、いつ買っても、将来と比べて「今」は割安なのだから、買いのタイミングは気にしなくてもいいのではないか?、という疑問が生まれます。
現在の株式市場、特に高配当株の株価は力強い上昇を見せていて、押し目待ちに押し目なしの状況で、買いにくくなっています。
ですので、もしも「累進配当=いつ買ってもいい」説が成り立つのであれば、大変ありがたいです。
今回は、累進配当ならば、いつ買っても今が一番割安と言えるのかどうか、考えてみました。
減配しない累進配当ならば、負けることはない
まず大前提として、「高配当株投資は、減配さえ避ければ負けることはない」という事実があります。減配が無いという条件付きですが、勝率100%です。
減配を避ける=配当維持または増配
なぜ、減配を避ければ負けないかについて、詳細は下記記事をご参照ください。
累進配当とは、減配をせずに、少なくとも配当を維持または増配することです。
よって、減配を避ければ負けない=累進配当ならば負けない が成り立ちます。
累進配当ならば負けないわけですから、例えば高配当株A社が累進配当を継続中で今後も継続するという前提であれば、A社株式については、株価が上昇中でも高値圏であっても、いつ買ってもよいということになります。
だって、A社は累進配当だから、投資して負けることはないからです。
ここで、問題点が2つあります。
①前提条件であるA社の減配しない累進配当は、今後もずっと続くのか?
②累進配当の条件を満たすと考えると、A社に対する絶対評価としては、いつ買ってもよいとなるが、相対評価としてはどうか?
つまり、A社の株価が高値圏にあるなら、他のB社・C社を買った方が有利ではないか?
⇒①については、累進配当はあくまでもその会社の方針であって、法律で強制されているわけではない、会社の意思決定で自由に変更することができる、という点には要注意です。
その会社が累進配当の方針を変更しないかどうかについては、定期的にウォッチしておく必要があります。
⇒②については、次項目で検討します。
配当利回りという発射台の高さ
上記②の問題について、再掲します。
②累進配当の条件を満たすと考えると、A社に対する絶対評価としては、いつ買ってもよいとなるが、相対評価としてはどうか?
つまり、A社の株価が高値圏にあるなら、他のB社・C社を買った方が有利ではないか?
⇒高配当株A社の株価が上昇して高値圏にあるということは、A社の配当利回りが下がっていることを意味します。
※配当利回り=配当金÷株価
⇒例えば、現在A社の配当利回りが2%、B社の配当利回りが4%とします。
この場合、両社とも平均して増配率が年7.2%だったとすると、72の法則により、10年後に配当金が2倍になり、取得配当利回りも2倍になります。
※税金は単純化のためゼロとします。なお新NISAでは非課税・無期限で投資可能。
※増配率・72の法則、取得配当利回りについては、下記記事をご参照ください。
つまり、10年後には、両社の取得配当利回りはそれぞれ2倍となり、A社が4%、B社が8%になります。
A社の取得配当利回りは、10年も経ってから、現在のB社と同じ4%にやっと追いつくという状況です。これは、現時点のA社の配当利回りが低すぎるためです。
なので、もしA社とB社が両方とも累進配当で、他の要素(事業性や将来性)も大差ないのであれば、相対的に配当利回りが高いB社を買った方がよいことになります。
⇒当たり前のことですが、最初のスタートとなる発射台=当初取得時の配当利回りが高ければ高いほど、将来的に有利となります。
私は投資の目安として、配当利回り3%を意識しています。配当利回りが少なくとも3%あれば、最初の発射台としての役割は果たせると考えています。
将来の累進配当を期待できる優良な高配当株であれば、株価が上昇して配当利回りが下がっている中であっても、配当利回りがまだ3%以上あれば、投資対象にします。
もし配当利回りが3%を切って2%台になった場合は、買い出動はせずに様子見です。
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まとめ
減配しない累進配当のA社ならば、いつ買っても「今」が一番割安と言えるのかどうか?
⇒A社だけを見れば、答えはYesとも言えます。
しかし、他の累進配当銘柄に目を移せば、答えはNoにもなり得ます。
A社を上回る配当利回りで、かつ配当利回り3%以上の他の累進配当銘柄B社があるならば、A社を買わずに、B社を買う方がお得です。
まとめてシンプルにすると、下記になります。
累進配当の優良な銘柄であることを前提として、
・配当利回り3%を切る状態ならば様子見。
・逆に、株価が上昇していても、配当利回り3%以上ならまだ買える。
今日も配当生活への道を一歩ずつ進む、ショウでした!
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