日経ダブルインバースETFは、株式市場の暴落時の救世主となるか?

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インバースETF

年初から、日本やアメリカの株式市場が暴落しています。

 

このような株価が下落している時に、何か取れる対策はないのでしょうか。

よく言われるのが、株式市場が下がると思っているなら空売りすればよい、ということです。

 

空売りと言っても、リスク管理の観点から、私は現在は信用取引をしていません。

ですので、もし空売りをしたければ、空売りと似た効果を持つ、インバース系のETFを買うという方法になります。

 

例えば、日経平均インバースETFは、日経平均株価が ”下落“ すると、逆に価格が上昇するETFになります。反対に、日経平均株価が上昇すると、日経平均インバースETFの価格は下がります。

ETF(上場投資信託)なので、上場株式と同じように東証で売買できます。

 

日経平均ダブルインバースETFは、日経平均株価の上昇・下落率の反対方向に約2倍動くETFです。例えば、日経平均株価が5%下落すれば、日経平均ダブルインバースETFは10%上昇します。

 

つまり、仕組み的に、日経平均インバースETFや日経平均ダブルインバースを買って保有している場合、日経平均株価が“下落”すると儲かるということになります。

 

このようなインバース系ETFをリスクヘッジとして買っておくという対策方法があります。

インバース系ETFを持っておけば、保有している現物株式の株価が下落して損失を被っても、インバース系ETFが上昇して利益を得ることができ、損失をカバーできるという考え方です。

 

今回は、株式市場の下落に備えて、このインバース系ETFを買っておくという投資戦略について、その有効性を検討してみたいと思います。

 

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インバース系ETFへの対応方針

結論から言いますと、私は、インバース系ETFは買わない方針です。

 

もちろん、これはあくまでも私の場合であって、インバース系ETFを買うという戦略を全面的に否定するものではありません。

 

インバース系ETFを買わない理由

1.投入できる資金量の割合が少ない

私は、上記の通り、信用取引はしていません。

そして、現在、リスクヘッジ用に私が用意できる現金は約100万円です。

 

一方、私が保有している株式などの総資産は、2021年12月末の時価で5,900万円になります。

配当資産の状況 2021年12月末
明けましておめでとうございます。昨年は大変お世話になりました。皆様がブログを読んで頂けるおかげで、ブログを続けることができています。本年も、当ブログ「Road to 配当生活」を、どうぞよろしくお願いします!2021年12月末時点で、私の配...

 

100万円/5,900万円 = 1.7% ですので、インバース系ETF(たとえダブルインバースでも)を買っても、カバーできる範囲が少な過ぎるという状況です。

 

感覚的には、リスクヘッジするなら、総資産の30%くらいはカバーしたいなと考えています。

 

2.短期の相場の動きは読めない

長期的に見れば、株式市場は右肩上がりで成長しますが、短期的には、上昇・下落を繰り返します。

 

そして、短期の相場の動きは予測不可能であり、読むことはできません(少なくとも私にとっては)。仮にそんなことができたら、あっという間に世界一の億万長者になって、投資を続ける必要もありません。

 

インバース系ETFを買ったら、いつか売らなければいけませんが、株式市場は、一日ベースで見れば、必ず下がるとは限らず、上下動します。

読み通りに株式市場が下がった(=インバース系ETFは含み益)としても、いつ売却すべきか分かりません。また、もし売却した後に、さらに株式市場が下がったら、もはやリスクヘッジにはなりません。

 

こういったことを想定して考えてみると、やはり私には、うまく立ち回って、インバースETFを短期で売買するタイミングを自分が読むことができるとは思えないのです。

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3.「稲妻が輝く瞬間」を取り逃す恐れがある

チャールズ・エリスは、その名著「敗者のゲーム」にて、次のように述べています。

 

株式投資は、上昇期の少しの期間を逃すだけで、そのパフォーマンス・リターンが大幅に減少する。だからこそ、投資家は、株式市場が上昇する「稲妻が輝く瞬間」に、市場に居合わせなければならない

詳細は下記の記事ご参照ください。

株式市場にずっといることって、実はスゴく大事~キャッシュポジションの考え方~
株式市場に長期間にわたって居続けること、つまり株式をずっと保有し続けることは、非常に重要です。歴史的に、株式市場は上昇と下降を繰り返しながら、長期的には右肩上がりで上昇してきています。しかし、株式市場が上昇する期間を少し逃すだけで、投資で得...

 

⇒稲妻が輝く瞬間(=株式市場の上昇時)に、インバース系ETFを持っていると、損失を被ることになり、株式投資のリターンが減少する恐れがあります。

株価が下落から上昇に転じるタイミングで都合良く、インバース系ETFを売却できればいいのですが、上記2の通り、売買タイミングを読むのは困難ですから、そうそう上手く行くとは考えにくいです。

 

⇒株式市場の下落・暴落時から、株価が回復に向かう流れの際は、大きなリターンが得られる時です。

この貴重な局面において、インバース系ETFによる損失で利益を相殺されてしまうのは、ぜひとも避けたいところです。

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4.インバース系ETFは意外と儲かりにくい

冷静に考えると、インバース系ETFは、暴落時でもイメージほどには儲かりにくい(自分にとっては)と考えています。

 

例えば、日経ダブルインバースETFを買うとします。

日経平均株価が27,000円だった場合、10%下落には2,700円下がることが必要です。20%下落なら5,400円、30%下落で8,100円です(もっと下落する可能性もありますが、とりあえずこの辺で)

もし8,100円下落した場合、その時の日経平均株価は2万円を割り込み、18,900円になっています。

 

そもそも、株式市場が上昇・下落を繰り返す中で、例えば10%分の日経平均が2,700円という大きな値幅分まで下落するまでの間、日経ダブルインバースETFを売らずに持ち続けるのも、なかなか難しい

ましてや、20%分の5,400円、30%分の8,100円だったら、なおさら困難です。

 

仮に、持ち続けることができたとして、日経平均が10%下落して20%の利益(ダブルインバースなので)、20%下落で40%の利益、30%下落で60%の利益です。

 

上記1の通り、私が日経平均ダブルインバースETFを買える資金は約100万円ですので、得られる利益は、日経平均10%下落で利益20万円、20%下落で40万円、30%下落で60万円です。

また、株価が下落している前提ですので、その利益も保有している他の現物株式の含み損で相殺されてしまう。

 

これでは、値幅やタイミングを考慮すると、持ち続けるのが困難な割に、実現できた場合の利益が少ないと考えています。リスクヘッジだとしても、いわゆるコスパが悪いなあという感じです。

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まとめ

上記のように、現物株式主体で追加投入できる資金量の割合が少ない自分にとっては、インバース系ETFを買っても、期待するような効果は得られないだろうなと思っています。

下がると思うなら、空売りするかインバース系ETFを買えばいいというようには、単純に上手く行かないでしょう。

 

じゃあ、株式市場の下落時には、含み損が増えるのを、自分は指をくわえて黙って見ているのかというと、それも違います。

 

勇気を出して、買い増しをします!

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株価が暴落している中で、これまでの経験を思い返しながら、長期的には株価は右肩上がりであるとの確信とともに、怖いけど勇気をもって、高配当株を買い増しするつもりです。

 

株式市場の底がどこになるのか当てるのは難しいですから、資金を分けて、様子を見ながら少しずつ買い増ししていくことで、受取り配当金も積み上げます。

 

そして、将来やがて訪れる「稲妻が輝く瞬間」によって、大きなキャピタルゲインを手に入れて、さらに積み上げた配当金も楽しみたいです。

 

今日も配当生活への道を一歩ずつ進む、ショウでした!

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