株式投資の世界では、「恩株」(おんかぶ)という言葉・考え方があります。
恩株とは、実質的に取得価格がゼロ円の株式のことです。
一般的に、恩株の作り方は、株式の購入とその後の売却で作るものと認識されていますが、実は、恩株は配当金でも作ることができます。
今回は、“配当金で恩株を作る”という考え方・仕組みについて、書いてみました。
恩株とは?
恩株とは、実質的に取得価格がゼロ円の株式のことですが、例えば、下記のように恩株を作る方法がよく知られています。
恩株の基本的な作り方は、「株価が購入価格の2倍になったら、持株数の半分を売却する」という方法です。
例えば、1株1,000円で200株を購入した後、株価が購入価格の2倍の2,000円になったら、半分の100株を売却するというものです。
そうすると、購入時の投資コストは20万円(株価1,000円×200株)で、半分売却時の回収金額は20万円(株価2,000円×100株)ですから、投資コスト分は回収したことになります。
※単純化のため税金は考慮していません。ただし、2024年から始まる新NISAでは、非課税期間が無期限になります。
そして、半分売却したわけですから、もう半分の100株はまだ手元に残って保有している状態です。つまり、この残った100株は、投資コスト分を回収済みですから、実質的に取得価格ゼロ円の株式になります。
このような株式を、「恩株」と呼んでいます。
恩株は、投資元本を全額回収して実質的に取得価格ゼロ円ですから、もう損をすることはありません。
もし、その企業が倒産して株価がゼロ円になったとしても、損益はプラスマイナスゼロです。
こうなると、心理的にグッと楽になりますね。
恩株であれば、株価が上がったり下がったりを繰り返しても、投資コストは既に回収済みだと思えば、株価の動きに不安になって右往左往することはありません。
慌てて、利益確定の売却に走ることはなくなります。
恩株なら、テンバガー(株価10倍)達成まで保有し続ける可能性・握力も、大いに上がります。
株価の上下変動に動揺して、不利な局面で売ってしまうという、人間の心理面の弱さを克服するために、恩株は非常に有効な方法だと考えています。
配当金で恩株ができる仕組み
上記のように、一般的には、恩株は「株価が2倍になったら半分売る」方法で手に入れるのですが、実は、配当金でも恩株を作れます。
例えば、株価1,000円、1株当たり配当金40円、配当利回り4%の高配当株A社を想定します。
※単純化のため税金は考慮していません。ただし、2024年から始まる新NISAでは、非課税期間が無期限になります。
●配当金が維持された場合
このA社株式を1株購入(投資元本は1,000円)すれば、増配や減配がなく同じ配当金額が維持された場合、1年で受け取れる配当金は40円、2年累計で80円、3年累計で120円・・・です。
つまり、当初の投資元本1,000円のうち、配当金によって、
1年後は40円(投資元本の4%=40円÷1,000円)
→2年後は80円(投資元本の8%)
→3年後は120円(投資元本の12%)・・・
を回収できます。
10年後には投資元本の40%(=10年分の累計配当金400円÷1,000円)、20年後には投資元本の80%、25年後には投資元本の100%(年間配当金40円×25年=1,000円)を、配当金で回収したことになります。
よって、このA社株式は、配当金で25年後に恩株になります。
恩株は、投資元本を100%回収して、実質的に取得価格ゼロ円の状態ですから、それ以後はもはや負けることはありません。
●増配があった場合(増配率:年5%)
このA社が、平均して年5%の増配率で増配を行ったと想定します。
なお、直近3年の三菱商事の平均増配率は11%、三井住友FGは7%、NTTは8%ですので、増配率5%は普通にあり得る水準です。
現在のA社の配当40円
→1年後42円(=40円×1.05)
→2年後44円(=42円×1.05)
→3年後46円(=44円×1.05)・・・
上記の配当金の合計で、投資元本を回収することができます。
投資元本を100%回収できるのは、16年後になります。
よって、平均して増配率が年5%であった場合、A社株式は16年後に恩株になります。
●50%恩株
「でも、16年も25年も待ってられないよ」という方もいると思います。
安心してください!?
50%恩株、30%恩株、〇〇%恩株というやり方もできます。
上記の恩株事例では、その前提が投資元本の100%を回収するというものでした。
投資元本を100%回収できたら、株価がゼロ円になっても負けることはない、という考え方です。
しかし、現実的には、株価がゼロ円になるのは倒産した時くらいです。
上記事例のA社が倒産しない限り、当初の株価1,000円は下がったとしても、700円や500円、300円など、いくらかの株価は必ず付きます。
そして、50%恩株とは、当初購入価格(投資元本)の50%を配当金で回収した状態のことです。
50%恩株の状態であれば、当初購入時の株価が半値まで下がっても、まだ損失ではありません。半値までの値下がりだったら、負けない状態です。
50%恩株であれば、上記A社の事例で、配当維持の場合は13年、増配率5%の場合は9年で作れます。
高配当株の株価が半値に下がるのは、あり得ないことではありません。
ですが、50%恩株を作れれば、かなり安心できる状態になります。半値までの値下がりなら、トータルで損失にはならないのですから。
しかも、50%恩株は、その後に配当金をもらうたびに、55%恩株、60%恩株、80%恩株というように、ドンドン(100%)恩株に近づいていきます。ますます負けにくくなります。
同様に、30%恩株や40%恩株など、いろいろ作ることができます。
30%恩株であれば、投資元本の30%を配当金で回収済みの状態です。よって、30%恩株であれば、株価が買い値から30%ダウンしても、トータルでは負けません。
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まとめ
配当金で恩株を作る方法は、株価上昇で作るよりも、比較的簡単です。
複数の株式銘柄を保有していると、その中から結果的に株価が2倍になる株式が出てくるのは珍しくないとはいえ、狙って見つけるのはなかなか難しい。株価も上下に変動します。
でも、配当金だったら、高配当株を保有しているだけで、年々配当金が積み上がっていき、投資元本を少しずつ回収できます。
配当金で、自然に、本当にナチュラルに、30%恩株・50%恩株・70%恩株・(100%)恩株などができあがるんです。
(100%)恩株まで行けば、もはや負けることはない無敵の状態、最強です。
そして、まだ(100%)恩株まで行っていなくても、30%恩株や50%恩株の状態でも、株価ダウンに対抗できるバッファがありますから、心の余裕が生まれます。
この効果は非常に大きいです。
今後も、配当金を受け取って、自分の保有ポートフォリオの中に、恩株をいっぱい作っていきたいと思います!
今日も配当生活への道を一歩ずつ進む、ショウでした!
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