インデックス投資の大きな問題点とは?~高配当株投資との比較~

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インデックス投資の問題点に悩む

 

私は、投資用のお金は、高配当株と値上がり期待株(グロース株)の2つに分けて投資を行っていて、現在はインデックス投資はしていません。なお、以前はインデックス投資を行っていました。

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なぜ、今はインデックス投資をしていないかと言うと、大きな問題点があると考えているからです。

 

もっと言えば、人生をトータルで長期的に見た場合、インデックス投資は高配当株投資よりも、よっぽど危険でリスクがあるのではないかと考えるからです。

 

インデックス投資の大きな問題点とは、投資資産を形成した後、その資産を使う・取り崩す時期に生じる問題です。

(単に、資産を取り崩すのがメンタル的に嫌だとかいうことではありません)

 

その問題点は、インデックス投資で形成した投資資産を取り崩している時期に、株式市場の下落や暴落が起きてしまったら、元の資産を取り返せなくなってしまう・老後の生活費が足りなくなってしまう可能性の問題です。

 

なぜなら、想定される取崩し時期は、退職した後の老後時期であり、既に給与収入はありません。

また、インデックス投資資産を取り崩したお金は生活費として使っているので、もはや毎月投資などはできない時期だからです。

 

株式市場が下がったところで買っておき、後に株式市場が回復した時に大きく上昇するという手法が使えません。

 

今回は、インデックス投資の大きな問題点について、高配当株投資と比較しながら、書いてみました。

 

なお、インデックス投資が絶対に駄目だということではなく、下記はリスクについての考え方の一つになります。

 

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インデックス投資の想定リターン

投資に関する様々な研究によって、長期的に見て、株式市場全体(インデックス)への投資の利回りは、平均年6%程度を期待できるとされています。

 

これは、過去の超長期データに基づく平均的な数値です。株式市場は、株価が上がったり下がったりを繰り返しながら、長期的には右肩上がりを続けています。

株価のグラフ

 

したがって、下記の入金額で、インデックス投資信託に対して、毎月積み立て投資をすると、将来はこうなると計算されます。年6%の複利で増えていく計算です。

 

毎月1万円を投資:10年後167万円、20年後467万円、30年後1,005万円

毎月3万円を投資:10年後502万円、20年後1,403万円、30年後3,016万円

毎月5万円を投資:10年後838万円、20年後2,339万円、30年後5,028万円

毎月10万円を投資:10年後1,676万円、20年後4,679万円、30年後1億円

 

例えば、上記から、毎月5万円の投資で30年後の事例をピックアップすると、自分で出した金額である投資元本は1,800万円(=5万円×12か月×30年)です。

 

30年後に5,028万円になっている計算ですから、30年後に投資元本の約2.8倍(=5,028万円÷1,800万円)になっています。

利益額は、3,228万円(=5,028万円-1,800万円)です。

 

これが、インデックス投資を行った場合の想定リターンになります。

ここまでは、インデックス投資の安定感・複利効果の素晴らしさが発揮されていて、納得できる内容です。

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4%ルールによる取崩し

投資やFIREの世界では有名な「4%ルール」というやり方があります。

 

4%ルールとは、資産額の4%を毎年売却して取り崩し、その売却金額以内を生活費として暮らせば、半永久的に資産が目減りすることなく生活できるという考え方です。

 

なぜなら、株式投資では平均して年6%程度増えるリターンが期待できるので、年4%の取崩しであれば、プラスマイナスで差し引きしても、元の資産額が減ることはないからです。

 

※単純化のため、ここでは売却益にかかる税金は考慮していません。ただし、2024年から始まる新NISAでは、非課税での生涯投資枠が1,800万円かつ非課税期間が無期限になります。

 

4%ルールを逆に見ると、年間生活費の25倍の資産をつくることができれば、FIREやセミリタイアが可能になります。

 

例えば、生活費が年間300万円かかるとすれば、300万円×25倍=7,500万円 の資産があると、毎年4%以内の取崩しで抑えることができれば、理論上は、資産が減らずに暮らしていけることになります。

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老後は何年あるのか

会社員の退職年齢は、既に該当法律も成立してていることから、将来的には65歳になると見込まれます。

 

日本人の平均寿命は、男性81歳・女性87歳ですが、65歳まで生きた人のその後の平均余命は、男性約20年・女性約25年です。

つまり、65歳まで生きた人は、平均して男性約85歳・女性90歳まで寿命があるということです。あくまで平均ですから、これよりも長生きしたり、短命となる可能性があります。

 

よって、65歳で退職して、年金とそれまで積み上げてきた投資資産で生活しなければならない老後の期間は、平均余命で見ると約20~25年なので、少し余裕をもって30年と想定しておくと良いと考えられます。

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株式市場の下落・暴落・大暴落の頻度

老後の期間が30年ありますので、この期間において、株式市場の下落・暴落・大暴落は、”必ず発生” します。景気や株価は、上がったり下がったりを繰り返すからです。

 

ざっくり言うと、暴落は10年に1~2回程度大暴落(リーマンショック級)は20年に1回程度は起きると想定されます。

 

つまり、老後30年間では、少なくとも3回程度の暴落・大暴落が発生する可能性があります。

 

あくまで可能性なので、実際には、非常にラッキーな場合は老後30年間で暴落1回だけの場合もあり得るでしょうし、逆に5回も暴落したという不運なケースもあり得ます。

 

しかし、老後は30年間もあるので、暴落・大暴落が発生することは、ほぼ避けられません。資産運用の想定上は、必ず発生する(それも複数回)と考えておいた方が良いでしょう。

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老後の取崩し期間に暴落が起きたら?

上記のインデックス投資のリターン事例から、毎月5万円の投資で30年後に約5,000万円の事例をピックアップして考えてみます。想定ケースは以下の通りです。

 

※単純化のため、ここでは売却益にかかる税金は考慮していません。ただし、2024年から始まる新NISAでは、非課税での生涯投資枠が1,800万円かつ非課税期間が無期限になります。

 

[想定ケース]

・毎月5万円投資で30年後に5,028万円の投資信託資産となる(うち投資元本1,800万円)

・夫婦で年金が、合計年間160万円(=月額約13万円)ある

5,028万円の投資信託を毎年4%(=約200万円)売却・取崩し、生活費にする。年金と合わせて、夫婦で年間360万円(=月額30万円)で生活する。

・その他の収入は無い。

 

⇒4%ルールの理論上は、取崩し当初の約5,000万円の資産は、ずっと減らないはずです。

 

⇒しかし、売却による資産取崩しを始めた初期に、暴落が来てしまったらどうなるでしょうか?

株価のグラフ

 

上記の折れ線グラフは、上がったり下がったりを繰り返していますが、この下がる部分が定年退職後にやって来てしまったら、どうでしょう?

 

例えば、65歳で退職後の翌年に暴落が起きたとします。

暴落は、30%~40%の株価下落や、その後の下落が2~3年続くことも、普通にあります。

 

もし下落率が、

1年目:マイナス20%

2年目:マイナス10%

3年目:マイナス5%

だったとしたら、資産は下記のようになります。

 

1年目:5,028万円×80%-200万円(生活費)=3,822万円

2年目:3,822万円×90%-200万円(生活費)=3,240万円

3年目:3,240万円×95%-200万円(生活費)=2,878万円

 

当初資産5,028万円でスタートした老後が、たった3年で2,878万円に減少します。

3年後には当初資産の57%(=2,878万円÷5,028万円)になってしまい、減少率はマイナス43%です。

 

※注目すべきは、生活費にあてる200万円です。これは毎年定額でかかる費用・生活費ですから、金額は200万円で変えていません。

 

資産が下落しても、今までと同じ額を取崩して生活費にあてないと、暮らしていけません。同じ額を取り崩さないと、少なくとも、今までと同じ生活レベルは保てません。

 

よって、200万円という金額は、1年後には既に資産の4%を超える率になっていますが、資産を取り崩すしかありません。だって、生活費ですから。

 

⇒もちろん、この暴落の後に、株式市場が再び上昇していけば、資産も少しずつ回復していくことになります。

 

しかし、投資の世界ではよく言われることですが、マイナス10%になってしまったら、元の資産額に戻るにはプラス10%では足りません。プラス11.1%が必要です。

Ex.元が100なら-10%で90になる。90×1.1(+10%)=99で元の100には足りない

 

上記の暴落例にように、マイナス43%になったら、プラス何%戻さなければならないか。

実に、プラス75%が必要になります。

 

しかも、年間200万円は、生活費として確実に資産からマイナスになるので、実際はプラス75%よりも、もっと上乗せが必要。

 

また、1年でプラス75%戻すのは考えにくいので、年間200万円の生活費のマイナス分は、複数年が積み重なっていく。

資産を株価上昇で取り戻すのは時間がかかるのに、生活費は確実に出ていくという苦しい状況です。

 

⇒株式投資の研究では、このようなマイナス・プラスを含めて、長期で平均すればプラス6%程度のリターンが得られるという結果なのは知っています。

 

ですが、現実の自分の人生・老後は、平均数値ではなく、ただ一つです。

 

もし、運悪く、自分の老後が上記の暴落事例のようになってしまったら、65歳で約5,000万円の資産でスタートして、3年後の68歳時点でマイナス43%の約2,900万円になります。

 

ただし、運悪くと言っていますが、普通に起こり得る、十分考えられる状況です。

さらに、老後30年では、暴落は1回だけではなく、通常は複数回の暴落が起こります。

 

まだ3年しか経っていないから、老後はあと27年もある。

株式市場はどう動くか分からない。4年目もマイナスかもしれない。

でも、年間の生活費200万円は確実に出ていく。何か想定外の出費があるかもしれない。

しかも、この後の27年間で、また暴落によるマイナスはほぼ確実に再び起きる。

 

こんな状況だったら、恐怖でしかありません。資産が途中で枯渇する恐れも出てきます。楽しい老後など、送れません。

これは、単に、資産を取り崩すのがメンタル的に嫌だとかいうことではありません。実際に資産が減少してしまいます。

 

現実に上記の状況になったら、生活費200万円をカツカツに削って、生活レベルを落とすことになってしまうと思います。

 

⇒上記のような苦しい状況になるのは、老後の資産取崩し期間は、毎月の積み立て投資・追加投資ができないからでもあります。

定期的に入る給料・収入がないからです(年金は生活費に消える)。株価が下がったところで買っておくという手法が取れません。

 

退職前の資産形成期であれば、株式市場が暴落しても、毎月の積み立て投資を継続することで、後に株式市場が上昇期に入った時に大きなリターンを得られます。

しかし、老後は、それができません。生活費のため資産を取り崩す時期であって、投資に回すお金がないためです。

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インデックス投資の問題点に対応する方法の候補

上記のインデックス投資に関する大きな問題点に対応する方法の候補として、以下の3つの方法を検討します。

 

1.老後の暴落に耐えられるだけの多額の資産を持つ

2.退職した時点で投資資産を現金化しておく

3.高配当株投資をする

 

1.老後の暴落に耐えられるだけの多額の資産を持つ

インデックス投資の想定リターンを再掲します。年6%の複利計算です。

 

毎月1万円を投資:10年後167万円、20年後467万円、30年後1,005万円

毎月3万円を投資:10年後502万円、20年後1,403万円、30年後3,016万円

毎月5万円を投資:10年後838万円、20年後2,339万円、30年後5,028万円

毎月10万円を投資:10年後1,676万円、20年後4,679万円、30年後1億円

 

⇒先ほどの暴落事例は、毎月5万円投資の30年で5,028万円の資産を作ったという想定で試算しました。

 

この5,028万円が、1億円だったとしたらどうでしょうか。かなり安心できます。暴落が複数回あっても、耐えられる可能性が高い。

これが2億円だったら、ほぼほぼ安全と言ってもよいと思います。

 

⇒ただし、上記の通り、インデックス投資で30年後に1億円の資産を手に入れるには、毎月10万円の積立て投資を30年も続けなければなりません

自分の給料から出す投資元本は、合計3,600万円(=10万円×12か月×30年)です。

 

同様に、30年後に2億円の資産を手に入れるには、毎月20万円が必要で、投資元本は30年合計で7,200万円です。

 

正直に言って、このあたりの金額は、一般のサラリーマンにとっては現実性が低いのではないでしょうか。

毎月10万円・20万円という多額の金額を、5年・10年ではなく、30年も続けるわけですから。

 

そもそも、投資元本を3,000万円も7,000万円も用意できるなら、ある意味、投資してお金を増やさなくてもよい人のような気もします。

 

普通のケースでは、毎月5万円投資の30年で5,028万円の資産(投資元本1,800万円)というのが、現実的ではないかと思います。

毎月5万円でも、30年も続けるのは通常は厳しいと思います。かなりの頑張りが必要です。

 

この1の対応方法(多額の入金をして多額の資産を持つ)を取るのは、難易度が高いと考えられます。

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2.退職した時点で投資資産を現金化しておく

インデックス投資で形成した約5,000万円を一括して、全て売却し現金化しておくという方法です。

 

現金で持っておけば、株式市場が暴落しても、減ることはありません。

 

上記の想定事例では、年間生活費200万円として取り崩す予定でしたので、25年(=約5,000万円÷200万円)は現金が持つことになります。

 

ただし、25年で資産がなくなってしまうので、退職後25年以上長生きした場合のリスクが大きいのと、現金で保有しているとインフレで実質的な価値が目減りしてしまうリスクが生じます。

この方法は、あまりオススメできません。

 

3.高配当株投資をする

インデックス投資の問題点である老後の暴落への対応方法として、高配当株投資が有効な理由は、一般的に、株価の下落率と比べると、配当金の下落率(減配率)は小さいからです。

 

株価は、マーケット状況や需給など、企業が決められない要因でも変動しますが、配当金の額は企業が実質的に決定できます。

通常は損益的にギリギリの状況まで、企業は減配をしません、減配を嫌がります。

 

しかも、暴落が来たからといって、配当金の場合は減配されるとは限りません。優良な高配当株であれば、暴落でも現状維持されます。

 

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そして、高配当株投資であれば、配当金を生活費にあてればいいので、インデックス投資のように保有株式資産そのものは売却する必要がありません。この点も大きいです。

お金のなる木を切ることなく、果実(お金)を収穫し続けるイメージです。

 

高配当株を活用する方法には2つあります。下記①と②です。

 

①インデックス投資の約5,000万円を、退職と同時(65歳)に全部売却して、その売却資金で高配当株を買う方法

⇒インデックス投資信託に毎月5万円投資して、30年で5,028万円の資産(投資元本1,800万円)になります。

新NISAを利用すれば、上記の投資元本がちょうど非課税の生涯投資枠1,800万円になるため、売却益にかかる税金はゼロです。

 

よって、売却で現金約5,000万円を入手し、この現金で、配当利回り4%の複数の高配当株を買うとします。

※1:単純化のため売買手数料はゼロと想定

※2:配当利回り4%以上の高配当株もありますが、4%以上の高配当株はリスクが高い場合が多く、配当利回りの想定は4%が現実的です。

※3:新NISAの生涯投資枠の復活は、実際は年単位ですので、売買にはタイムラグが生じます。

※4:新NISAの生涯投資枠1,800万円は、成長投資枠1,200万円、つみたて投資枠600万円ですが、ここでは単純化のため、1,800万円で個別高配当株または高配当投資信託・ETFを購入し、ポートフォリオ全体で配当利回り・分配金利回りが4%になるよう投資したと想定します。

 

すると、約5,000万円×配当利回り4%=約200万円/年 ですから、当初想定の投資資産から得るべき生活費=年間200万円の現金を得られそうです。

 

⇒しかし、ここで問題が生じます。

新NISAでの生涯投資枠は1,800万円です。高配当株に投資した約5,000万円は、新NISAで1,800万円、特定口座(課税口座)で3,200万円になります。

 

そのため、配当利回り4%での配当金は、

非課税分:1,800万円×4%=72万円

課税分 :3,200万円×4%×80%(配当金課税20%を差し引き)=102万円

 

合計で、年間174万円になってしまいます。

これは、当初想定の投資資産から得るべき年間200万円より、26万円マイナスです。

 

この①の方法だと、年間の生活費は少なくなるので、厳しいです。

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②最初から高配当株に積み立て投資する方法

⇒上記では、インデックス投資信託に毎月5万円投資して、30年で5,028万円の資産(投資元本1,800万円)でしたが、この毎月5万円の積立てを、インデックス投資信託ではなく、最初から高配当株に投資します。インデックス投資は使わない方法です。

 

⇒当ブログの以前の記事で、優良な高配当株のNTTに、毎月5万円を10年間投資していたら現在どうなっているかについて、過去の実際の株価・配当金実績に基づき試算しました。なお、受け取った配当金は、NTT株に再投資する前提です。

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⇒この試算の結果、約10年間で、下記のようになりました。これは、過去の現実の株価・配当金の実績に基づくものです。

・約10年後の保有NTT株式の時価:1,558万円 ※含み益918万円 ※投資元本640万円

取得配当利回り:7.3% ※平均取得単価ベース(税引前)

 

なお、取得配当利回りの考え方については、下記記事をご参照ください。

「取得配当利回り」を考える~高配当株投資での大きなメリット~
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⇒約10年前に積み立て投資を始めた時点でのNTTの配当利回りは3.7%です。これが増配によって、取得配当利回り7.3%にまで成長しています。元の約2倍です。

 

⇒単純計算だと、取得配当利回りは次の10年でさらに2倍(14.6%)、その次の10年でまた2倍(29.2%)なので、約30年後には取得配当利回りが約30%になります。

 

⇒上記の取得配当利回りは税引前ですが、新NISAでは生涯投資枠1,800万円のうち、1,200万円までは高配当株を購入できます。

 

一方、ここでの想定は毎月5万円の30年で投資元本1,800万円ですから、配当金非課税の新NISAで1,200万円、残り600万円+30年間の配当再投資分を特定口座(課税口座)で、高配当株を買うことになります。

 

⇒上記のように、単純計算では30年後の取得配当利回りは約30%、投資元本のうち新NISAに関する配当金については非課税です。

これらの点を考慮し、30年後の取得配当利回り(税引後)は、保守的に割り引いて少なく見積もっても、15%はあるだろうと想定できます。

 

実際に10年前からNTTに毎月5万円を積み立て投資していたら、10年後に取得配当利回りは7.3%(税引前)になっていたのですから、その後の増配と新NISAによる非課税も考慮して、30年後に取得配当利回り(税引後)が少なくとも15%になっているという想定は妥当と考えます。

 

⇒上記記事の試算では、NTT1社を例にしていますが、実際に毎月積み立てる場合は、NTTと同様の優良な複数の高配当株(※)に分散投資して、個別株リスクを下げます

※例えば三菱商事や三井住友FGなど、減配しない累進配当ブラザーズたちに分散投資

【2023年版】累進配当ブラザーズ!~減配しない累進配当を長年継続する素晴らしい企業たち~
※本記事は、2024年版に更新しました。下記【2024年版】をご参照ください。 2023年3月期本決算会社の決算発表が終わりましたので、累進配当ブラザーズを2023年版に更新しました。 2023年版では、累進配当ブラザーズに新たに1社が仲間...
分散投資の黄金ナンバーはいくつ?~インデックス投信と高配当株の個別株リスク~
高配当株投資は個別株に関するリスクがあるけれども、インデックス投資は株式市場全体に分散投資する。だから、インデックス投資は高配当株投資よりリスクが低く安全だと、よく言われています。 だけど、果たして、それは本当なのでしょうか? パッと感覚的...

 

⇒以上から、毎月5万円を30年間、複数の高配当株に投資した場合、30年後の取得配当利回り(税引後)は少なくとも15%、投資元本は30年で1,800万円になります。

なお、受け取る配当金については、資産形成期の30年間は高配当株に再投資、30年後以降の老後期間は生活費にあてる前提です。

 

よって、30年後以降は、投資元本1,800万円×取得配当利回り15%=年間270万円の配当金(税引後の手取り)が得られます。

 

この金額は、当初想定の投資資産から得るべき生活費分200万円を大きく上回ります。

また、30年後以降に保有株式が増配をすれば、受け取れる配当金もドンドン増えていきます。

 

⇒そして、年間270万円の手取り配当金に加えて、30年後には含み益たっぷりと想定される保有株式の時価もあるわけです。

 

⇒この「②最初から高配当株に積み立て投資する方法」は、試算上は、30年後に、インデックス投資よりも高い生活費分の270万円を得られる上に、老後の暴落時への耐性も高いです。

 

暴落時の株価下落率よりも配当金が減配される率の方が幅が小さいですし、過去の暴落でも減配しなかった企業の事例はたくさんあります。

しかも、老後に保有株式が増配をすれば、配当金もドンドン増えます

 

それに、仮に減配されたとしても、それがマイナス70万円までであれば、年間200万円の配当金を受け取れます。

年間200万円は当初想定の生活費の額ですから、200万円あれば大丈夫なはずですし、その後の増配でまた増えることも考えられます。

 

以上から、この「②最初から高配当株に積み立て投資する方法」は、インデックス投資と比べて、優位性があると考えています。

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まとめ

上記について、まとめます。

 

インデックス投資による資産形成・老後の資産取崩しについては、大きな問題点があります。

 

≪インデックス投資による資産を取り崩すケースに関して≫

・投資資産の取崩し期間である老後は30年もある。

・老後30年の期間中には、必ずかつ複数回の下落・暴落・大暴落がやってくる。

・暴落・下落時にマイナスになった分を取り戻すには、その後に下落率以上の上昇率が必要資産が回復するのに何年かかるか分からない。

・暴落・下落期間であっても、生活費分については、投資資産を必ず取り崩さなければならないので、低い株価で売却せざるを得ない

暴落・下落は、数年続く可能性複数回繰り返す可能性もある。

老後30年は退職後で毎月の給料はないため、投資にお金は回せない。追加投資や株価下落時に買っておき、その後の上昇時に大きく儲けるというワザは使えない。

 

⇒よって、インデックス投資で資産を形成して、老後に取り崩すこととした場合、老後の資産取崩し期間、特にその初期に、暴落・大暴落がやってきた場合、大きなダメージを受けます。

 

これは大きな問題なのに、老後30年の間にはどこかで必ずやって来る事態です。

自分が現実にそんな状況になったらと想像すると、恐怖でしかありません。無理です。

 

この点に対応するために有効な方法として、次の2つが考えられます。

A.老後の暴落に耐えられるだけの多額の資産を持つ

B.最初から高配当株に積立て投資する

 

ただし、Aの方法だと、インデックス投資信託に毎月10万円を30年で1億円、毎月20万円を30年で2億円の試算になるので、高い入金力かつ長年継続できる人しかできません

 

一方、Bの方法には以下のような長所があります。

 

≪高配当株への積み立て投資に関して≫

配当金を生活費にあてるので、保有株式資産を売却・取り崩す必要はない

・高配当株に毎月5万円を30年間投資した場合、30年後の取得配当利回り(税引後)は少なくとも15%、年間配当金(税引後の手取り)は270万円を想定できる。

・この年間配当金は、インデックス投資資産を取り崩す想定金額年間200万円を上回る。

・取り崩す必要はないが、保有株式の時価も含み益たっぷり

・暴落が来ても、株価の下落率と比べると、配当金の下落率(減配率)は小さい

暴落が来ても、減配されず配当維持される場合も珍しくない。リーマンショック時でも減配しなかった企業もある。

複数の高配当株に分散投資することで、個別株リスクを下げられる。

 

 

⇒上記を総合的に考慮して、私は、インデックス投資信託への毎月積み立てではなく、高配当株に毎月投資して資産形成する方法を選びます

 

投資で資産を形成して、その資産を売却・取り崩して使う時期のことまで、人生トータルで考えてこその投資であるべきだからです。

 

なお、迷う場合は、インデックス投資と高配当株投資と両方やるのもありだと思います。

 

今日も配当生活への道を一歩ずつ進む、ショウでした!

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