今まで、このブログでは、減配しない累進配当や取得配当利回りアップの大きな魅力・メリットについて、繰り返し書いてきました。
では、実際に過去の実績を振り返ってみると、どうだったのでしょうか?
今回は、もし10年前に累進配当ブラザーズを買っていたら、どれくらいの配当金やリターンを得られたのか、検証してみました。
累進配当ブラザーズの各社
“累進配当”とは、減配をしないで、少なくとも前年の配当を維持するか、または増配を実施するという、素晴らしい配当方針のことです。
「累進配当ブラザーズ」は、この累進配当を対外的に公約していたり、長年継続している優良な高配当株たちです。
具体的には、累進配当ブラザーズは以下の会社になります。
・三井住友フィナンシャルグループ
・三菱商事
・稲畑産業
・オリックス
・NTT
・三菱HCキャピタル
・東京海上ホールディングス
⇒これらの累進配当ブラザーズ各社の株式を、もし10年前に買って、現在まで持ち続けていたらどうなっていたか、試算します。
累進配当ブラザーズの10年間の試算
以下では、累進配当ブラザーズ各社について、その株式を10年前に購入していたと想定し、試算しています。
※下表について
・株価は、各年の12月末時点と直近時点(2023年3月24日)の株価です。
・配当金は、その時点の期の1株当たり年間配当金です。
例えば、2015年末の欄に記載されている配当金は、2016年3月期の1株当たり年間配当金になります。
・増配率=配当金÷前年の配当金
1年前の配当金からどれくらいの率で増減しているかを示します。
・市場配当利回り=その期の1株当たり配当金÷その時点の株価
その時点の、いわゆる通常の配当利回りのことです。
・取得配当利回り=その期の1株当たり配当金÷購入時の株価(取得価格)
取得価格ベースの配当利回りです。取得価格は変わらないので、増配があると、取得配当利回りはアップしていきます。
・累計配当金は、2012年末からその年までに受け取った配当金の合計です。
例えば、2022年末の累計配当金は、2012年末から2022年末の10年間で受け取った配当金を全て足したものになります。
・単純化のため、配当金にかかる税金は考慮していません。なお、2024年からの新NISAでは非課税期間が無期限になります。
●三井住友フィナンシャルグループ
※表とグラフは、ピンチアウトすることで拡大できます。
⇒このグラフをじっくり見ていると、累進配当と取得配当利回りのスゴさ・素晴らしさが見えてきます!
⇒2012年末に購入する想定なので、取得価格(購入時の株価)は3,115円、取得した当初の配当利回りは3.9%です。
⇒購入から約10年後の現在(2023年3月24日)の時点では、株価5,189円、取得配当利回り7.4%にアップ、累計配当金は1,850円まで積み上がっています。
三井住友FGは、減配しない累進配当ブラザーズの一員ですから、配当金(緑の棒グラフ)と取得配当利回り(赤い線)は、美しい右肩上がりです。
⇒よって、10年前に三井住友FGの株式を買っていたら、現在では以下のような結果になっています。
株価 :3,115円→5,189円(約1.7倍)
取得配当利回り:3.9%→7.4%(約1.9倍)
配当金 :120円→230円(約1.9倍)
累計配当金 :1,850円(=取得価格の59%を回収済み)
⇒取得配当利回りは、購入時に自分が出したお金(当初投資元本)に対する配当金でのリターンです。
なお、取得配当利回り=1株当たり配当金÷取得株価 ですから、取得配当利回りのアップ率と配当金のアップ率は同じ率になります。
取得配当利回り7.4%とは、当初30万円分の株式を購入したなら、当初はその3.9%分の配当金でしたが、以後の増配によって、現在は当初30万円の7.4%分の配当金を受け取れる、という意味になります。
自分は何もしていないのに、保有しているだけで、増配によって、取得配当利回りがどんどんアップしていきます。
⇒累計配当金が1,850円で、取得価格が3,115円ですから、既に配当金によって、当初に投資したお金の59%(=1,850円÷3,115円)を回収できたことになります。
言い換えれば、今後、株価が1,265円(=取得価格3,115円-累計配当金1,850円=取得価格の41%)にまで下がってしまったとしても、既に累計配当金で回収済みの分がありますから、トータル損益では負けていません。
しかも、現在株価は5,189円ですから、これが7割ダウン以下の1,265円に下がることは、もはや考えにくいです。
加えて、これからも毎年累計配当金が積み上がって増えていくわけですから、ますます利益が増えて、負ける可能性は限りなく低くなっていきます。
そして、当初の取得価格の株価3,115円を、今後の累計配当金で全て回収することができた時点で、実質的な取得価格はゼロ円になりますので、負ける可能性はゼロになります。
⇒上記のような、株価が1.7倍、取得配当利回り7.4%の高さ、累計配当金で投資元本の59%を回収済みの株式を保有していたら、すごいお宝株です!
しかも、今後も高配当で配当金を稼ぎ続けてくれるのですから、半永久的に保有し続ける価値があります。
●三菱商事
⇒10年前に三菱商事の株式を買っていたら、現在では以下のような結果になっています。
株価 :1,647円→4,586円(約2.8倍)
取得配当利回り:3.3%→10.9%(約3.3倍)
配当金 :55円→180円(約3.3倍)
累計配当金 :1,086円(=取得価格の66%を回収済み)
⇒取得配当利回りは、夢の10%を突破しています!
⇒三菱商事は、以前は、配当を業績連動で行っていたので、配当の上下が激しくなっていました。
しかし、2016年度より、減配しない累進配当政策を採用することを、対外的に宣言し公約しました。公約以後、現在まで増配を継続しています。
●稲畑産業
⇒10年前に稲畑産業の株式を買っていたら、現在では以下のような結果になっています。
株価 :579円→2,633円(約4.5倍)
取得配当利回り:4.0%→19.9%(約5.0倍)
配当金 :23円→115円(約5.0倍)
累計配当金 :591円(=取得価格の102%を回収済み)
⇒取得配当利回りは、夢の10%をはるかに超え、ほぼ20%に達しています!
累計配当金も既に102%なので、投資元本を全て回収済みです。もう負けることはありません!
●オリックス
⇒10年前にオリックスの株式を買っていたら、現在では以下のような結果になっています。
株価 :969円→2,141円(約2.2倍)
取得配当利回り:1.3%→8.8%(約6.6倍)
配当金 :13円→85.6円(約6.6倍)
累計配当金 :637円(=取得価格の66%を回収済み)
⇒取得配当利回りが、約6.6倍と大きな上昇を見せています。
●NTT
⇒10年前にNTTの株式を買っていたら、現在では以下のような結果になっています。
株価 :908円→3,969円(約4.4倍)
取得配当利回り:4.4%→13.2%(約3.0倍)
配当金 :40円→120円(約3.0倍)
累計配当金 :843円(=取得価格の93%を回収済み)
⇒取得配当利回りは、夢の二桁、10%超えの13.2%です!
⇒累計配当金も、既に93%と、当初の投資元本をほぼ回収済みで、今後の負けもほぼありません。
●三菱HCキャピタル
⇒10年前に三菱HCキャピタルの株式を買っていたら、現在では以下のような結果になっています。
株価 :369円→681円(約1.8倍)
取得配当利回り:1.8%→8.4%(約4.7倍)
配当金 :6.5円→31円(約4.7倍)
累計配当金 :200円(=取得価格の54%を回収済み)
●東京海上ホールディングス
※東京海上HDは、19/3期~21/3期にて特別配当を実施しており、普通配当ベースでは増配を継続しています。
⇒10年前に東京海上HDの株式を買っていたら、現在では以下のような結果になっています。
株価 :794円→2,541円(約3.2倍)
取得配当利回り:2.3%→12.6%(約5.5倍)
配当金 :18円→100円(約5.5倍)
累計配当金 :632円(=取得価格の80%を回収済み)
⇒取得配当利回りは、夢の二桁、10%を超えています!
●総括表
上記の検証結果を総括表として、まとめてみました。
⇒改めて総括表を見ると、減配しない累進配当と取得配当利回りアップが持っている力のスゴさ・素晴らしさを実感します。
キャピタルゲイン(株価上昇)もインカムゲイン(配当金)も、両方ゲットです!
⇒安心感をくれるのが、累計配当金による投資元本の回収率です。
ここまで回収してしまえば、トータルで負ける可能性は考えにくい上に、今後も毎年の配当金で回収が積み重なっていきます。
⇒こういう表を見ると、10年前に買っておけばなあ、と後悔してしまいますが、過去はもう戻ってきません。
ですが、上記の累進配当ブラザーズ各社は、現在も、減配しない累進配当を長年継続しています。
これから先の10年、20年においても、上記表の再現性は高いと考えています。
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まとめ
上記のように、もし10年前に累進配当ブラザーズを買っていたら、含み益と非常に高い取得配当利回りを併せ持つお宝株になっていました。
もちろん、過去は将来を保証しませんが、上記が過去に実際に起こった事実であるという点は重いです。単なる空想ではなく、リアルの事実です。
しかも、減配しない累進配当が継続する限り、上記の素晴らしい10年が再び起きる可能性は非常に高く、再現性があります。
累進配当 → 減配せず増配傾向を継続 → 増配で株価上昇・取得配当利回りアップ
累進配当の場合、歴史は繰り返すのです。
投資をする際には、そういった過去の実績を知っておくことで、その会社への信用度がアップし、長期投資において、株式保有を継続する力・握力が強くなる効果もあります。
今後も、長期的な観点を持って、高配当かつ減配しない累進配当ブラザーズへの投資をコツコツと行い、配当金を積み上げていきます。
今日も配当生活への道を一歩ずつ進む、ショウでした!
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