「取得配当利回り」という考え方があります。
私が高配当株へ投資する大きな理由は、増配によって、取得配当利回りと配当金がどんどんアップしていくからです。
これは、高配当株投資をする際に、非常に大きなメリットになります。
今回は、取得配当利回りの考え方とメリットについて、書いてみました。
「取得配当利回り」とは?
通常、一般的に使われる配当利回りとは、その時点での最新の株式市場で付いている株価をベースにします。
※配当利回り=1株当たり配当金÷株価
本日時点の株価が2,000円で配当が60円なら、配当利回りは3%(=60円÷2,000円)です。これから、この株式を買う投資家から見た利回りとも言えます。
一方、「取得配当利回り」とは、自分の取得価格ベースでの配当利回りのことで、下記の式で計算します。
※取得配当利回り=1株当たり配当金÷購入時の株価
例えば、1株当たり配当金が40円、株価が1,000円のA社株式を買ったとすると、取得配当利回りは4%(=40円÷1,000円)になります。
そして、A社が1年後に増配して配当金が50円になったとすると、自分の取得配当利回りは5%にアップ(=50円÷1,000円)します。
⇒上記の1年後の時点で、A社の株価時価がいくらになっているかは、取得配当利回りには関係ありません。
例えば、1年後のA社株価が1,200円だった場合、1年後時点の最新の配当利回り(=これからA社株式を買う人たちにとっての配当利回り、株式市場での配当利回り)は4.1%(=50円÷1,200円)になります。
しかし、自分の取得配当利回りは、取得価格である1,000円をベースに計算しますから、上記の通り5%です。
取得配当利回り=1株当たり配当金÷購入時の株価 であって、この式の分母は固定値で変わりませんから、分子の配当金が増配で増えると、取得配当利回りはアップしていきます。
増配によって、上記例では、自分は何もしていないのに、当初の投資額1,000円に対するリターン(取得配当利回り)が、4%から5%にアップしたわけです。
これこそが、高配当株の大きな大きなメリットです。
高配当株を持っているだけで、購入時は配当利回り4%だったとしても、その後の増配によって、取得配当利回りが5%、6%、7%、それ以上に上がっていきます。
これを言い換えると、当初の投資資金が少なくても、取得配当利回りがアップしていくと、より大きなリターン(配当金)が得られるということになります。
取得配当利回りのシミュレーション
具体的に、取得配当利回りのスゴさをシミュレーションしてみます。
[想定条件]
購入当初の株価が1,000円、1株当たり配当金が40円、配当利回り4%(=40円÷1,000円)、購入後の増配率が平均で年5%、のB社を想定します。
なお、増配率=配当金÷前年の配当金 で計算します。
例えば、配当100円から105円に増配した場合、増配率は5%(=105円÷100)です。
実際にも、直近3年の三菱商事の平均増配率は11%、三井住友FGは7%、NTTは8%です。
年によって、でこぼこがあっても長期で平均して、上記B社の想定の平均年5%は、普通にあり得る数字と考えられます。
≪取得配当利回りのシミュレーション≫
※配当金と累計配当金は1株当たりのもの
※単純化のため、配当金にかかる税金は考慮していません。なお、2024年からの新NISAでは非課税期間が無期限になります。
⇒この表は、見れば見るほど魅力的で、まるで魔法のような表です!
⇒15年後には、取得配当利回りは8.3%と、当初の配当利回り4%の2倍を超えてきます。
同じことを意味しますが、1株当たり配当金も、当初の40円から83円と2倍以上に増加します。
そして、19年後には、取得配当利回りは夢の10%を超えます。お宝株です。
特筆すべきは、この期間、自分は何もしていない、高配当株B社の株式を保有していただけという点です。
これは、非常に大きなメリットです。
⇒増配率5%で配当金が増えるということは、年5%複利で増えることを意味します。
複利には「72の法則」という非常に役に立つ公式があります。
72を複利の利率で割れば、元本が2倍になるまでの年数が分かるというものです。
今回想定は増配率5%ですので、72÷5=14.4年になるため、2倍になるのに約15年かかります。これは、上記の表と合致します。
72の法則は、覚えておくと、投資に限らず非常に便利に使える法則です。
⇒上記表の累計配当金の欄を見ると、16年後には1株当たり1,034円と1,000円を超えてきます。
当初取得時は株価1,000円で買ってますから、当初投資したお金・元本は1株当たり1,000円です。
そして、16年間で受け取った合計である累計配当金が1,034円ということは、当初の投資元本1,000円を、配当金の合計で全て100%回収できたことを意味します。
当初の投資元本を全て回収したので、実質的な取得価格はゼロ円になります。
16年目以降は、その後株価や配当金がどうなっても、もはや負けることはありません。圧倒的に優位なポジションです。
⇒上記の表では、当初取得株価は出てきますが、その年ごとの株価は出てきません。そこで、あえて想定して計算してみます。
例えば、20年後の株価はいくらになっているでしょうか?
上記表の通り、20年後のB社の配当金は106円の想定です。
もし、当初取得時の株価1,000円から全く上がらず、20年後も株価1,000円のままだったとしたら、20年後の株価時価による株式市場での配当利回りは10.6%(=106円÷1,000円)になります。
でも、配当利回り10%超えの状態で、株式市場で株が売られていることは、通常は無いですよね。
ですので、通常の範囲内において、株式市場での配当利回りを想定することとし、20年後のB社株価での配当利回りが4%だったと仮定します。
これは、十分考えられる、現実的な数字です。
すると、20年後のB社株価=20年後の配当金106円÷4% で逆算できますので、株価2,650円になります。
この場合、当初取得時の株価が1,000円で、20年後の株価が2,650円ですから、当初の2.6倍以上になっています。含み益がたっぷりです。
⇒上記表でのシミュレーションは、増配率5%の想定での数字ですが、もし増配率が年5%以上の企業に投資することができれば、もっと有利な数字になります。
(もちろん、逆に増配率5%以下なら、不利になります)
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まとめ
取得配当利回りのアップは、大きなメリットをもたらします。
ぜひ、上記の表を眺めながら、取得配当利回りについて、一度じっくりと考えてみてください。そのスゴさや優位性が分かると思います。
そして、もし、ご自分自身で考えてみてメリットがあると判断したなら、ぜひ行動してください。少額でもいいので、高配当株への投資を始めてみてください。
なぜなら、できるだけ早く始めるほど、取得配当利回りアップの効果をたくさん得られるからです。
自分は何もせず保有してるだけで、増配によって、取得配当利回りがアップして10%を超えていく。
増配率次第では、取得配当利回りが20%、30%を上回ることも、決して夢ではありません。
また、長く持てば持つほど、増配で取得配当利回りは増加していきます。
そして、取得配当利回りがアップすれば、投資したお金を配当金で100%回収するまでの期間も短くて済みます。
取得配当利回りアップの恩恵をたくさん受けるために、できるだけ早めに、できるだけ多めに、優良な高配当株へ投資をして、ずーーーっと保有し続けたいと考えています。
今日も配当生活への道を一歩ずつ進む、ショウでした!
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