以前、優良な高配当株を選ぶやり方・手順・方法について、下記の記事を書きました。
最新の四季報も発売されましたので、今回は実践編として、高配当株の選び方に関して、具体的にどのように絞り込んでいくのか、実際の手順を追いながら書いてみました。
皆さんの銘柄選びのご参考になれば、嬉しいです。
高配当株の選び方の手順
以前の記事で書いた、高配当株の選び方の手順は、次の通りです。
この手順に沿って、実際に優良な高配当株を選別していきたいと思います。
1.ヤフーファイナンスを使ってスクリーニング
①東証プライム上場の企業のみ
②配当利回り6%以上の企業を除く
③不動産・機械・自動車の企業を除く
2.残った企業を「高配当株の買いの基準」で内容チェック
①配当利回りが3%以上(税引前)
②直近5年以上、増配傾向が続いていること(最低でも前年の配当金額を維持していること)
③倒産リスクがほぼ無いと考えられること
④業績が好調または堅調であること
1.ヤフーファイナンスを使ってスクリーニング
①東証プライム上場の企業のみ
ヤフーファイナンスの株式ランキングのサイトで、「配当利回り(会社予想)」のランキングを選択します。また、上部の市場選択において、東証プライムを設定します。
すると、画面上では、東証プライム上場企業のうち、配当利回りの高いものから順にリストアップされます。
この配当利回りランキングの企業リストを眺めるのは、意外な発見もあり、とても楽しいです!
※出所:ヤフーファイナンスHP
ここでは、ヤフーファイナンスの機能を使用していますが、他のサイト(証券会社HPなど)で同じことができるのであれば、そちらを使うことでも構いません。
②配当利回り6%以上の企業を除く
次に、上記①のリストのうち、配当利回りが3%~6%までの企業をピックアップします。
配当利回りが異様に高い企業は、業績悪化で株価が下落していたり、一時的な要因による配当増加などの原因があることが多いため、ここでは配当利回り6%以上は対象外としました。
また、高配当株の基準として、配当利回り3%以上を下限としています。
この時点でピックアップされた企業(東証プライム上場で配当利回り3%~6%、2022年9月28日現在)は、743社です。
配当利回り3%以上の企業は、こんなにもたくさんあります。
なお、ヤフーファイナンスの画面上でできるのは、上記①までですので、この②以降の作業は自分で行う必要があります。
私は、エクセルを使って、以下のような表を作成しています。
上記①のヤフーファイナンスの画面から、企業リストをコピーしてエクセルにデータとして貼ることができるので便利です。ヤフーファイナンスのリスト画面は、社名に証券コードが付いているので助かります。
※一部抜粋:配当利回り3%~6%、東証プライム上場(2022年9月28日現在)
このエクセル表にまとめるのは、ある程度の手間がかかります(私はこの高配当株企業のリストを作成している時間は楽しいのでいいのですが)
ですので、時間がない方は、上記①の画面上のリストを見ながら、②以降の基準に該当するかどうか、画面上でピックアップしても良いかと思います。
また、企業数が多すぎて大変と思う場合は、配当利回りの基準を上げて4%~6%にしたり、1,000億円クラブの基準(経常利益1,000億円未満の企業は対象外にする)を追加しても良いでしょう。
③不動産・機械・自動車(輸送用機器)の企業を除く
不景気になると配当金を下げる可能性が相対的に高いため、景気変動の影響を強く受ける業種の企業は、対象から除きます。
どの業種を除くべきかは様々な考え方がありますが、とりあえず現時点では、上記業種を外す作業をしていきます。
⇒この③について、実際の除外作業は、四季報を使って次項目のチェックと同時に行います。
2.残った企業を「高配当株の買いの基準」で内容チェック
上記1のスクリーニング終了後、残った企業は627社になりました。
まだ結構な数の企業が残っていますね。それだけ可能性のある候補企業が残っているということですので、私は、宝探しのような気持ちで、絞り込みの作業をワクワクしながら行っています。
残った企業を「高配当株の買いの基準」4つで、内容をチェックします。
①配当利回りが3%以上(税引前)
⇒この基準は、上記1-②の条件の時点で、配当利回り3%~6%の企業を選んでいるのでOKです。
②直近5年以上、増配傾向が続いていること(最低でも前年の配当金額を維持していること)
⇒四季報で、配当金の傾向を確認します。
③倒産リスクがほぼ無いと考えられること
⇒今回の対象は東証プライム上場企業に限定しているので、比較的倒産リスクは低いですが、赤字が続いていたり、継続企業の前提に疑義が付いていないかや自己資本比率を、四季報で確認します。
④業績が好調または堅調であること
⇒四季報で、業績数値やコメントを確認します。
※一部抜粋:配当利回り3%~6%、東証プライム上場(2022年9月28日現在)
実際の作業としては、上記2-②③④のチェックは、上記1-③の業種の確認と合わせて、四季報で同時に確認していきます。
証券コードを見て、四季報の当該企業のページをチェックしながら、上のエクセル表の空欄に、○△×を付ける作業です。
こんな感じです。
配当利回りの上位20社は全滅ですね。21位以降も同様に確認していきます。
※一部抜粋:配当利回り3%~6%、東証プライム上場(2022年9月28日現在)
四季報を引きながら、エクセル表の空白を左から埋めていきますが、上記1-③の業種での除外か、または×が一つ付いた時点でその企業は外します。
その場合、残りの基準項目を確認する必要はありません。ですので、途中で×が付いた企業のチェック欄には空白があります。
最初の方で×が付く企業の場合、確認には1社当たり30秒もかかりません。
×が付いたら、次の企業のチェックに移ります。
もし、×が付いた企業でも、四季報の内容を読んで気になる企業があれば、その企業はリストに残しても構いません。
対象企業数が数百社あるので少し手間ですが、実際に手を動かして四季報をめくって、この作業を一度通しでやっておくと、高配当株投資のコツ・勘みたいなものがつかめるようにもなります。
なお、エクセル表については、いったん証券コード順に並び替えておくと、四季報での確認の際に、ページを行ったり来たりしなくて済みます。確認スピードが速くなるので、おすすめです。
対象企業全てのチェックが完了したら、リストを元の配当利回りの順に戻します。
選定の結果
チェック作業を行った結果、以下の企業24社が残りました。
気になる企業はありますでしょうか。
上記表の24社に、さらに1,000億円クラブの基準(経常利益1,000億円未満の企業は除外する)を適用した場合、残るのは以下の15社になります。
・8316三井住友FG
・8309三井住友トラストHD
・8593三菱HCキャピタル
・8725MS&ADインシュアランスグループHD
・8306三菱UFJFG
・1605INPEX
・1928積水ハウス
・1925大和ハウス
・8591オリックス
・8766東京海上HD
・8031三井物産
・8058三菱商事
・9433KDDI
・9432NTT
・4063信越化学
まとめ
高配当株の選び方について、手順・方法に従って実際にやってみたところ、24社が最終リストに残りました。
途中、四季報をめくるので、手間はある程度かかりますが、その過程こそが楽しい、そして新たな発見がある部分です。
どんなお宝高配当株が見つかるのか、ワクワクする時間でもあります。
これらの手順・方法は、一度やっておけば、次回以降は簡単になります。
次回以降は、基本的に、スクリーニング基準に新しく該当した企業だけを確認すればいいので、そんなに手間はかかりません。
もちろん、この高配当株の選び方は、絶対的なものではありませんので、今回の基準に該当しない企業であっても、気になった企業はリストに残して、もっと詳しく調べてみるのも全然アリです。
私は、現在の株式市場の厳しい環境を考慮して、今は、より安全に保守的に投資を行うという方針です。
最後に残った15社(1,000億円クラブ基準の適用後)を中心に、株価や業績動向をウォッチしながら、投資していきたいと考えています。
今日も配当生活への道を一歩ずつ進む、ショウでした!
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