※本記事は、2024年版に更新しました。下記ご参照ください。
オリックスの2023年3月期本決算の発表がありましたので、2023年版の内容に更新しました。
8591オリックスは、高配当株の一つで、私も現在保有しています。
本ブログで書きました、高配当株買いの4つの基準に照らして、オリックスを検討します。
基準1.配当利回りが3%以上(税引前)
オリックスの予想配当利回りは約4.0%の高さ。基準1はクリアです。
基準2.直近5年以上、増配傾向が続いていること(最低でも前年の配当金額を維持していること)
オリックスの配当金の推移
2015年3月期:36円
2016年3月期:45.75円(前年比27%増)
2017年3月期:52.25円(前年比14%増)
2018年3月期:66円(前年比26%増)
2019年3月期:76円(前年比15%増)
2020年3月期:76円(前年と同額)
2021年3月期:78円(前年比3%増)
2022年3月期:85.6円(前年比10%増)
2023年3月期:85.6円(前年と同額)
2024年3月期予想:94円(前年比10%増)(注)
注)「配当性向33%または85.6円のいずれか高い方」を24/3期の配当とすると発表。いずれか高い方ですので、最低85.6円以上になります。
配当94円は、24/3期純利益予想の3,300億円通りだった場合に、配当性向33%で計算した配当額です。
よって、実際の24/3期純利益が3,300億円以上だった場合、配当は94円以上になりますし、逆に3,300億円以下だった場合、配当94円以下になる可能性があります。
※2020年11月に上限442億円の自社株買いを発表
※2021年5月に上限500億円の自社株買いを発表
※2022年5月に上限500億円の自社株買いを発表
※2023年5月に上限500億円の自社株買いを発表
オリックスは、減配せずに、増配傾向を続けていますので、基準2もクリアです。
さらにオリックスは、株主還元の一環として、ふるさと優待という名称の株主優待(カタログギフト)を導入していて、大人気です。
100株以上の株主に対し、推定5千円相当の商品のカタログギフトが送られてきます。なかなか品揃えが良いため、どれをもらうか楽しみながら選ぶことができます。
ただし、この株主優待は、2024年3月末の株主への送付を最後にして、廃止されることが決定しましたので、ご留意ください。
株主優待は、企業にコストがかかるもの(その分、企業の業績・利益が減る)ですので、優待を廃止して今後は配当などの株主還元に集約するのは、個人的には残念ではありますが、株主にとって悪いことではないと考えます。
また、優待を即廃止するのではなく、一定の猶予期間がある点は、オリックスの株主への誠意・配慮を感じます。
2023年5月10日の決算説明会において、オリックスは、中期の目標と株主還元について、以下のように発表しました。
※出所:オリックス決算説明資料と決算短信(2023年5月10日)
⇒「配当性向33%または配当85.6円のいずれか高い方」が、24/3期の配当になります。
24/3期の会社予想の純利益3,300億円に基づき、配当性向33%で計算した配当が、上記配当予想に記載されている94円です。
よって、実際の24/3期純利益が3,300億円以上になれば、配当94円以上になるし、3,300億円以下ならば、配当94円以下になる可能性があります。
ただし、「いずれか高い方」ですから、配当85.6円は下限保証されています。
そして、前期23/3期の配当は85.6円ですから、実質的に、減配をしない「累進配当政策」をオリックスは対外的に公約しています。
(累進配当政策とは、減配をしないで、少なくとも前年の配当を維持するか、または増配を実施するという、素晴らしい配当方針)
上記2枚目のスライドに記載されていますが、オリックスの株主還元は、下記の基本方針であり、非常に明快で分かりやすいです。
当期純利益の
①3分の1を配当(=配当性向33%と同じ意味)
②3分の1を新規投資
③3分の1を内部留保および自己株取得
⇒つまり、①と③の合計で、最大3分の2(当期純利益の66%)が、株主還元(配当と自社株買い)に充当される可能性があります。
なお、上記スライドの1枚目で、25/3期の配当性向が33%+と、「+」が付いているのは、24/3期で株主優待を廃止するため、株主優待に使っていた費用を配当に回すので、配当性向33%を超えるという意味もあるそうです(社長が決算説明会でその旨を発言)
オリックス経営陣の株主還元・配当への意識は非常に高いと考えられ、オリックスの増配傾向は続くと推定されます。
基準3.倒産リスクがほぼ無いと考えられること
オリックスは、売上高2兆6千億円、時価総額2兆8千億円、日経平均225銘柄の一つであり、倒産リスクは限りなく低いと想定されます。
基準4.業績が好調または堅調であること
オリックスは、リース事業から始まり、投資、融資、生命保険、銀行、資産運用、不動産、自動車関連、航空機関連、環境エネルギー関連、海外など、さまざまな事業を行っています。
※出所:オリックス決算説明資料(2023年5月10日)
オリックスは、世界30か国以上で、グローバルに事業を拡大中です。
海外のM&Aにも積極的で、注力中の環境エネルギー事業分野において、再生可能エネルギー(太陽光、風力、水力、地熱発電など)会社の大型買収も実行しています。
事業別の利益では、海外事業で稼ぐ利益が、オリックス全体の35%以上を占めるまでに成長しています。
上記のように多数の事業を行っているため、オリックスは何の会社か分からないと、よく言われますが、逆に、この点がオリックスの強みでもあります。
事業を多角化しているので、ある事業が不振でも、他の事業が好調でそれをカバーし、オリックスグループ連結全体で見ると、業績はおおむね順調という結果となっています。
このオリックスの強みは、設立初年度を除き、なんと58年間、毎期黒字を計上しているという収益体質の強さにも表れています。
※出所:オリックス決算説明資料(2023年5月10日)
58年間毎期黒字ということは、日本のバブル経済崩壊、リーマンショック、コロナショックなどの厳しい事業環境の時においても、赤字になっていないということになります。
オリックスの持続的に成長する力を感じます。
2023年4月に、大型案件として、オリックスは、同社と米国MGM社が共同で手掛ける大阪IRカジノプロジェクトについて、国から正式に認可を受けました。
また、東芝を買収する案件についても、出資・貸付を行う予定です。
※出所:オリックス決算説明資料(2023年5月10日)
上記2つの案件でどれくらいの利益が得られるか、具体的な数字はまだ明らかになっていませんが、特に、大阪IRカジノからは、継続的に大きな利益を得られそうで、株主としては非常に楽しみです。
大阪IRカジノの開業は、2029年が予定されています。あと6年、まだ先のようで意外と早いです。
オリックスから、高い配当利回りの配当金をもらいながら、楽しみに待ちたいと思います。
オリックスの業績の数字には、年により多少のアップダウンがありますが、おおむね業績は堅調であり、配当を維持できなくなるほど大きく悪化することはないと考えています。
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結 論
以上を総合的に考慮し、高配当株として、オリックスは買いと判断しています。
特に、収益力の強さと、累進配当政策の公約など経営陣の株主還元意識の高さ・継続的な積極還元姿勢が、非常に魅力的です。
今日も配当生活への道を一歩ずつ進む、ショウでした!
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