アサヒホールディングスの2022年3月期本決算の発表がありましたので、2022年版に内容を更新しました。
5857アサヒホールディングスは、高配当株の一つで、私も現在保有しています。
なお、アサヒビールの持株会社であるアサヒグループホールディングスと会社名がよく似ていますが、全く別の会社です。
当ブログで書きました、高配当株買いの4つの基準に照らして、アサヒホールディングスを検討します。
基準1.配当利回りが3%以上(税引前)
アサヒホールディングスの予想配当利回りは約4.3%の高さ。基準1はクリアです。
基準2.直近5年以上、増配傾向が続いていること(最低でも前年の配当金額を維持していること)
アサヒホールディングスの配当金の推移
2015年3月期:30円
2016年3月期:30円(前年と同額)
2017年3月期:30円(前年と同額)
2018年3月期:31.5円(前年比5%増)
2019年3月期:60円(前年比90%増)
2020年3月期:65円(前年比8%増)
2021年3月期:85円(前年31%増)
2022年3月期:90円(前年6%増)
2023年3月期予想:90円(前年と同額)
※2021年4月1日付で1:2の株式分割を実施。上記は株式分割を考慮した調整後の数字。
アサヒホールディングスは、増配傾向が継続していることから、基準2もクリアです。
2017年3月期決算で、アサヒホールディングスは海外子会社の減損損失を計上したため、大幅に利益が減少しました。しかし、その時でも、経営陣は前年と同じ配当額を維持して、翌年から増配に転じています。
また、アサヒホールディングスは、2021年4月27日の決算発表にて、コロナショックにも負けずに増配するとともに、株主還元に関する下記の基本方針を発表しました。
「基本方針:現在の年間配当水準から目減りさせることなく、継続的に実施すべく努める。その上で、今後の成長に向けた設備投資やM&Aを実行するための内部留保の充実を図りながら、配当性向に関しては40%を目処とする。」
⇒「現在の年間配当水準から目減りさせることなく」という表現は、減配しないという意味に読めます。
これを「継続的に実施すべく努める」ので、少し弱めの意思表示とはなっていますが、減配しないという努力方針を公表した点は評価したいと思います。
2022年4月27日発表の決算説明資料では、株主還元の方針について、以下のように記載されています。
「基本方針:成長戦略のための設備投資やM&Aに必要な内部留保充実を図りながら、配当性向40%を目処とし、現在の年間配当水準から目減りさせず、安定的に配当を継続する」
⇒減配は極力しないというアサヒホールディングスの方針が、より明示的に表現されていると思います。
経営陣の株主還元・配当への意識は非常に高く、アサヒホールディングスの増配傾向は続くと推定されます。
基準3.倒産リスクがほぼ無いと考えられること
アサヒホールディングスは、売上高約2,000億円、時価総額約1,700億円、東証一部上場の大企業であり、倒産リスクは低いと想定されます。
基準4.業績が好調または堅調であること
アサヒホールディングスは、金・銀・プラチナなどの貴金属とレアメタルの再生事業(リサイクル)、および産業廃棄物処理事業を行っています。
捨てられるパソコン・スマホや、電子・半導体の工場から廃棄処分される電子基板・廃液、歯科医院・義歯工場から発生する金歯・銀歯、研磨くずなど、そのままではゴミとして処理されてしまうものの中にも、貴重な金・銀・プラチナ・パラジウムなど、貴金属・レアメタルが含まれています。
それらのゴミに含まれる貴金属やレアメタル(都市鉱山とも言われます)を、アサヒホールディングスは、特殊な技術で取り出してリサイクルしています。
これは、貴重な金属資源のリサイクルとして、環境保護に貢献する事業となっています。資源の少ない日本にとっても、もはや欠かせない事業です。
また、中国は、貿易上の武器の一つとして、世界シェアが高い中国産のレアアース(=レアメタルの一種)の輸出数量をコントロールしています。
しかし、レアメタルのリサイクル量が増えていけば、中国の価格支配力を弱めることも可能です。
この点でも、貴金属・レアメタルの再生事業を行う、アサヒホールディングスが注目されます。
2022年4月には、アジア最大級の最先端リサイクル工場として、同社の坂東工場(所在:茨城県坂東市)が稼働開始しました。
現在、環境保護や資源の再利用の流れはますます強くなっており、アサヒホールディングスの事業に対する社会的な需要・ニーズはさらに高まっていくと予想されます。
これらのアサヒホールディングスの事業には、専門的な特殊技術が必要であり、簡単に参入できるものではありません。参入障壁が高い事業です。
そして、アサヒホールディングスへの大きな追い風となっているのが、金価格の歴史的な高騰です。
貴金属価格の相場の上下に伴い、業績の数字には、年により多少のアップダウンがありますが、おおむね業績は堅調であり、配当を維持できなくなるほど大きく悪化することはないと考えています。
結 論
以上を総合的に考慮し、高配当株として、アサヒホールディングスは買いと判断しています。
特に、同社のリサイクル事業に対する社会的なニーズの高さや、貴金属への根強い需要が見込める点が魅力的です。
今日も配当生活への道を一歩ずつ進む、ショウでした!
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