オリックスの2024年3月期本決算の発表がありましたので、2024年版の内容に更新しました。
8591オリックスは、高配当株の一つで、私も現在保有しています。
本ブログで書きました、高配当株買いの4つの基準に照らして、オリックスを検討します。
基準1.配当利回りが3%以上(税引前)
オリックスの予想配当利回りは、約2.9%の高さです。
ただし、上記の2.9%は、今期25/3期配当予想(詳細は下記の基準2ご参照)の下限である配当98.6円で計算した数値です。
今期25/3期の業績予想を達成した場合の配当予想133.2円で計算すると、予想配当利回りは約4.0%になります。
これらを総合的に勘案した上で、基準1はクリアとします。
基準2.直近5年以上、増配傾向が続いていること(最低でも前年の配当金額を維持していること)
オリックスの配当金の推移
2015年3月期:36円
2016年3月期:45.75円(前年比27%増)
2017年3月期:52.25円(前年比14%増)
2018年3月期:66円(前年比26%増)
2019年3月期:76円(前年比15%増)
2020年3月期:76円(前年と同額)
2021年3月期:78円(前年比3%増)
2022年3月期:85.6円(前年比10%増)
2023年3月期:85.6円(前年と同額)
2024年3月期:98.6円(前年比15%増)(注1)
2025年3月期予想:98.6円(前年と同額)(注2)
注1)「配当性向33%または前期23/3期配当と同額85.6円のいずれか高い方」を24/3期の配当とすると発表。いずれか高い方ですので、最低85.6円以上となります。
注2)「配当性向39%または前期24/3期配当と同額98.6円のいずれか高い方」を25/3期の配当とすると発表。いずれか高い方ですので、最低98.6円以上となります。
※2020年11月に上限442億円の自社株買いを発表
※2021年5月に上限500億円の自社株買いを発表
※2022年5月に上限500億円の自社株買いを発表
※2023年5月に上限500億円の自社株買いを発表
※2024年5月に上限500億円の自社株買いを発表
オリックスは、減配せずに、増配傾向を続けていますので、基準2もクリアです。
なお、大人気だったオリックスの株主優待は、2024年3月末の株主への送付を最後にして、廃止されました。
株主優待の実施は、企業にコストがかかるもの(その分、企業の業績・利益が減る)ですので、優待を廃止して今後は配当などの株主還元に集約するのは、株主にとって悪いことではないと考えています。
2024年5月8日の決算説明会において、オリックスは、株主還元について、以下のように発表しました。
※出所:オリックス決算説明資料と決算短信(2024年5月8日)
⇒25/3期の配当は、「配当性向39%または配当98.6円のいずれか高い方」です。
前期24/3期の配当は、「配当性向33%または配当85.6円のいずれか高い方」でしたから、配当性向が33%から39%に引き上げられています。
この引き上げには、株主優待の廃止も影響(株主優待に使っていた費用を配当に回す)していると考えられます。
「いずれか高い方」ですから、前期24/3期配当と同額の配当98.6円は下限保証されています。少なくとも、配当98.6円は支払われます。
⇒1株当たり配当金=当期純利益×配当性向÷株式数
※配当性向(%)とは、当期純利益のうち、どれくらいの割合を配当にあてるかという数字です。
上記の式で計算しますが、これをオリックスの前期の配当にあてはめると、
・前期24/3期の配当98.6円=24/3期当期純利益3,461億円×配当性向33%÷株式数約11.6億株
なお、株数の情報は、決算短信の2ページ目に記載されています。
一方、オリックスの今期25/3期の業績予想は当期純利益3,900億円の予想で、かつ上記の通り配当性向は39%に引き上げています。
よって、この25/3期業績予想を達成した場合、
・今期25/3期の配当予想=25/3期当期純利益3,900億円×配当性向39%÷株式数約11.6億株=配当133.2円
この配当予想133.2円が、上記の決算説明会資料に記載されている数字になります。
なお、今期25/3期の業績が、会社予想純利益3,900億円を上回った場合は、配当性向39%で計算しますので、配当は133.2円以上の額になります。
⇒ここで注目したいのは、「配当性向39%または配当98.6円のいずれか高い方」が配当になりますから、仮に今期25/3期の会社予想純利益3,900億円を下回った場合でも、増配になる可能性が高いという点です。
例えば、
①今期25/3期の純利益が、前期24/3期と同じ額の純利益3,461億円だった場合でも、
・当期純利益3,461億円×配当性向39%÷株式数約11.6億株=25/3期配当116円
②今期25/3期の純利益が、前期24/3期を大きく下回る3,000億円だった場合でも、
・当期純利益3,000億円×配当性向39%÷株式数約11.6億株=25/3期配当101円
前期24/3期の配当は98.6円ですから、上記①②の場合になったとしても、25/3期配当は増配となります。
配当性向33%から39%への引き上げの効果が大きいです。
⇒もちろん、今期25/3期の業績はあくまで会社予想であって確定していませんが、前期24/3期を大きく下回る純利益3,000億円の場合でも増配になるので、このオリックスの今期25/3期配当予想は、実質的にほぼほぼ増配予想であると言えるのではないでしょうか。
⇒「配当性向39%または配当98.6円のいずれか高い方」という配当方針は、最低でも配当98.6円を支払い下限保証する一方で、上の方向には業績次第で大幅な増配もあり得る、非常に株主思いの配当方針です。株主にとって、とてもありがたいです。
そして、前期24/3期の配当は98.6円ですから、このオリックスの配当方針は、実質的に、減配しない「累進配当政策」を対外的に公約していることになります。
(累進配当政策とは、減配をしないで、少なくとも前年の配当を維持するか、または増配を実施するという、素晴らしい配当方針)
オリックス経営陣の株主還元・配当への意識は非常に高いと考えられ、オリックスの増配傾向は続くと推定されます。
基準3.倒産リスクがほぼ無いと考えられること
オリックスは、売上高2兆8千億円、時価総額4兆円、日経平均225銘柄の一つであり、倒産リスクは限りなく低いと想定されます。
基準4.業績が好調または堅調であること
オリックスは、リース事業から始まり、投資、融資、生命保険、銀行、資産運用、不動産、自動車関連、航空機関連、環境エネルギー関連、海外など、さまざまな事業を行っています。
※出所:オリックス決算説明資料(2024年5月8日)
オリックスは、世界30か国以上で、グローバルに事業を拡大中です。
海外のM&Aにも積極的で、注力中の環境エネルギー事業分野において、再生可能エネルギー(太陽光、風力、水力、地熱発電など)会社の大型買収も実行するなど、海外で稼ぐ体制も構築しています。
上記のように多数の事業を行っているため、オリックスは何の会社か分からないと、よく言われますが、逆に、この点がオリックスの強みでもあります。
事業を多角化しているので、ある事業が不振でも、他の事業が好調でそれをカバーし、オリックスグループ連結全体で見ると、業績はおおむね順調という結果となっています。
このオリックスの強みは、設立初年度を除き、なんと59年間、毎期黒字を計上しているという収益体質の強さにも表れています。
※出所:オリックス決算説明資料(2024年5月8日)
59年間毎期黒字ということは、日本のバブル経済崩壊、リーマンショック、コロナショックなどの厳しい事業環境の時においても、赤字になっていないということになります。
オリックスの持続的に成長する力を強く感じます。
2023年4月に、大型案件として、オリックスは、同社と米国MGM社が共同で手掛ける大阪IRプロジェクト(カジノを含む)について、国から正式に認可を受けました。
大阪IR案件でどれくらいの利益が得られるか、具体的な数字はまだ明らかになっていませんが、継続的に大きな利益を得られそうで、株主としては今後の進捗が非常に楽しみです。
大阪IRの開業は、2030年秋頃が予定されています。あと6年、まだ先のようで意外と早いですね。
高い配当利回りの配当金をオリックスから受け取りながら、楽しみに待ちたいと思います。
オリックスの業績の数字には、年により多少のアップダウンがありますが、おおむね業績は堅調であり、配当を維持できなくなるほど大きく悪化することはないと考えています。
ーーーーーーーーーーーーーーーー
月額10万円の配当金をつくる方法・手順について、具体的にマニュアルにまとめました。
★人生を変える「月額10万円の配当金」をつくる方法はコチラ↓↓
ーーーーーーーーーーーーーーーー
結 論
以上を総合的に考慮し、高配当株として、オリックスは買いと判断しています。
特に、収益力の強さと、累進配当政策の実質的な公約など、経営陣の株主還元意識の高さ・継続的な積極還元姿勢が、非常に魅力的です。
今日も配当生活への道を一歩ずつ進む、ショウでした!
★★★おすすめ記事★★★
●「高配当株投資」についての超実践マニュアル!
●減配しない「累進配当」を長年継続している素敵な企業たち
●お金の悩みをFPに無料で相談できるお得な方法
●投資本リスト1(高配当株・バリュー株投資)
コメント