ROE(Return On Equity 自己資本利益率、または株主資本利益率)という財務指標があります。
※ROE=当期純利益/自己資本
ROEは、投資や経営についての評価に使われる指標で、高い方が良い評価となります。
あの世界最高の投資家の一人である、ウォーレン・バフェットも重視する指標です。
投資を行う際の指標として重要となるROEですが、高配当株各社のROEはどのような数値になっているのでしょうか。
今回は、高配当株のROEについて、調べてみました。
ROEの意味合い
ROEは、その企業がどれくらい効率的にお金を稼いでいるのかを示す財務指標です。
ROE=当期純利益/自己資本 で計算されますから、株主が投資したお金を使って、その企業がどれだけの利益を上げられたのか、という意味合いを持ちます。
ROEが高いほど、株主から集めたお金を上手に使って、効率よく利益を稼いでいる会社です。逆に、ROEが低い会社は、経営効率が悪い会社と言えます。
また、同じ会社のROEを時系列で見ていくと、昨年より今年は経営効率が上がったか下がったのかが分かります。
一般的に、ROEは8%以上あれば合格点とされることが多いですが、業種の特性によってROEの平均値となる水準は異なるので、単純に線引きすることはできません。
これは、ROEを算出する式の分母は自己資本ですので、同じ利益であれば、少ない自己資本でも経営できる業種の方がROEは高めに出るためです。
例えば、少ない資金でも利益が出せるIT業などはROEが高くなり、多額の資金を必要とする金融業などはROEが低くなります。
単純に線引きできないことを踏まえた上で、あえてROEの目安を感覚的に評価すると、以下のような感じになります。
ROE8% ⇒なかなか良いなあ
ROE10% ⇒立派な数字
ROE15% ⇒素晴らしい!
高配当株各社のROE
ここでは、減配しない累進配当ブラザーズ各社のROEについて、調べてみました。
下記のROEは、左の数値が前期実績、右が今期予想に基づくものです。数値は会社四季報から抜粋しています。
●三井住友フィナンシャルグループ
ROE:実5.9%、予6.0%
●三菱商事
ROE:実15.0%、予12.4%
●稲畑産業
ROE:実12.8%、予11.7%
●オリックス
ROE:実9.9%、予9.7%
●NTT
ROE:実14.9%、予14.4%
●三菱HCキャピタル
ROE:実8.0%、予8.4%
●東京海上ホールディングス
ROE:実10.9%、予10.7%
⇒銀行業をメインとする三井住友FGは、業種の特性上、ROEが低めに出ているものの、他の高配当株は、目安とされるROE8%を超える、なかなか良い数値となっています。
⇒三菱商事、稲畑産業、NTT、東京海上HDが、ROEが二桁10%を超えていて、経営効率の良さがうかがえます。
まとめ
高配当株各社は、総じてROEの数値は良く、経営効率は悪くないということが分かりました。やはり、優良な高配当株は、資金を効率的に使ってお金を稼ぐ力が強いです。
ROE=当期純利益/自己資本 ですから、ROEを高めるには、2つの方法があります。
①式の分子である当期純利益を増やす
②式の分母である自己資本を減らす
一方、ROEが下がるのは、上記①②の逆を行った場合です。
例えば、配当金を出さずに内部留保で溜めこむと、自己資本が増えますので、ROEは下がります。
逆に、“適正に”配当金を支払えば、自己資本は減って、ROEはアップします。自社株買いをすることでも、自己資本は減りますので、ROEが上がります。
ここで注意しておきたいのは、ROEが上がるから、自己資本を減らせば減らすほど良いんだなと、企業が短絡的な意思決定をすることです。
自己資本は減らしすぎると、資金繰りの安全性に問題が生じ、倒産危険性が高まります。
あくまでも、その企業の体力に応じた、適正な配当金や自社株買いが望ましいです。
高配当株のROEを時系列でウォッチしておくことでも、投資判断に役立てることができます。ROEの数値が急に変動したら、その原因を調べます。
高配当株投資に、ROEも活用していこうと考えています。
今日も配当生活への道を一歩ずつ進む、ショウでした!
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