※本記事は、2022年版に更新しました。下記ご参照ください。
NTTの2021年3月期本決算が発表されましたので、2021年版の内容に更新しました。
9432NTT日本電信電話は、高配当株の一つで、私も現在保有しています。
本ブログで書きました、高配当株買いの4つの基準に照らして、NTTを検討します。
基準1.配当利回りが3%以上(税引前)
NTTの予想配当利回りは約3.8%の高さ、基準1はクリアです。
基準2.直近5年以上、増配傾向が続いていること(最低でも前年の配当金額を維持していること)
NTTの配当金の推移
2016年3月期:55円(前年比22%増)
2017年3月期:60円(前年比9%増)
2018年3月期:75円(前年比25%増)
2019年3月期:90円(前年比20%増)
2020年3月期:95円(前年比5%増)
2021年3月期:105円(前年比10%増)
2022年3月期予想:115円(前年比10%増)
※上記は、株式分割を考慮した配当金額
※2020年11月に、上限2,500億円の自社株買いを発表
※2021年8月に、上限2,500億円の自社株買いを発表
NTTは、毎年のように増配していることから、基準2もクリアです。
新型コロナウイルスの悪影響の中でも、なんとNTTは 増配!を行うという配当金予想を出しました。これで、11期連続の増配。
この厳しい事業環境にあっても、増配を行う姿勢を示した点も好印象です。
●NTTの配当方針
NTTは、「継続的な増配の実施を基本的な考えとする」との配当方針を公表しています。
“継続的な増配の実施”という、株主にとって素晴らしい文言を使用している点に注目です。
ここまでの強いストレートな言葉で、増配を続ける意思を公言している企業は少ないため、株主にとっては非常に心強く、ありがたいです。
実際に、長期的に見た場合、NTTの配当推移で特筆すべき点として、増配傾向を継続していて、「20年以上も減配していない!」という点が挙げられます。
NTTの配当金の推移
※出所:NTT決算説明資料
減配をせず、少なくとも前年と同額の配当を維持するか、または増配を行うという配当の方法を、“累進配当”と言います。
NTTは、この素晴らしい累進配当を20年以上も継続している優良な高配当株企業です。
また、NTTは、自社株買いについて、「機動的に実施し、資本効率の向上を図る」としており、ここ20年間で約4兆円もの自社株買いを行っています。
最近、NTTの株主に対して、dポイントを付与する株主優待も始まりました。
NTT経営陣の株主還元・配当への意識は非常に高く、今後もNTTの累進配当・増配傾向は続くと推定されます。
基準3.倒産リスクがほぼ無いと考えられること
NTTは、売上高11兆円以上、時価総額11兆円以上、日経平均225銘柄の一つの超大企業であり、倒産リスクは限りなく低いと想定されます。
基準4.業績が好調または堅調であること
NTT日本電信電話は持株会社であり、その傘下に各種事業を行う事業子会社があります。
事業子会社には、NTTドコモ、NTT東日本、NTT西日本、NTTコミュニケーションズ、NTTデータ、NTT都市開発など、お馴染みの会社も多いです。
スマートフォン、5Gビジネス、スマートライフ事業(dカード・dポイント等の金融・決済関連)、固定電話、ひかり通信、ひかり電話、国際電話、通信インフラ整備、不動産など、通信をメインの軸として幅広い事業を行っています。
NTTの事業を連結決算ベースで見てみると、営業利益の比率(2021年3月期)は以下のようになっています。
移動通信55%
地域通信25%
長距離・国際通信9%
データ通信8%
その他3%
⇒移動通信、つまりドコモが稼ぎ頭ですね。
NTTは、2020年11月にTOB(株式公開買い付け)によって、ドコモを完全子会社化して、ドコモが稼ぐ利益を100%取り込むこととし、収益力の向上を図っています。
⇒NTTの売上高全体の約2割は海外でのもので、海外売上高比率は年々上がって来ています。NTTは、もはや固定電話でイメージされるような、ドメスティックな国内企業ではなく、グローバル企業に成長しています。
⇒三菱商事、三菱UFJ銀行、富士通とDX(デジタルトランスフォーメーション)分野での業務提携を行うなど、NTTは巨大IT企業としての面もあります。
NTTは、売上高11兆円、営業利益1兆5千億円の通信業界の巨人、ガリバーです。
携帯電話や固定電話事業は規制産業であり、電波について、国からの許認可がないと営業できませんので、他企業が参入するのは非常に困難です。事実上、NTTは独占事業・寡占事業を行っています。
また、携帯電話・固定電話事業は、典型的なストックビジネスであり、毎月毎月、多数の契約者から現金がどんどん入金される、キャッシュリッチな事業です。
既に電気・水道・ガスと同じようにインフラ化しているスマホ・固定電話通信への社会的な需要も、底堅く強いものがあります。
そして、今後は国策でもある5G通信事業を、本格的に展開していく予定です。その先の6G事業も見据えています。
このような強固で安定した岩盤のような収益構造・収益基盤を、NTTは持っています。
政府からのスマホ料金の値下げ要求に対しても、ahamoなどのプランで対応した上で、利益を上げていくことが十分可能な収益構造をNTTは有しています。
中長期で見て、依然として強い事業を有していて、業績はおおむね堅調。
配当を維持できなくなるほど、業績が大きく悪化することはない、業界のガリバーが倒される日は当面やって来ない、と考えています。
結 論
以上を総合的に考慮し、高配当株としてNTTは買いと判断しています。
特に、安定した強い収益力に基づき、減配しない累進配当を20年以上も継続している株主還元姿勢が、非常に魅力的です。
今日も配当生活への道を一歩ずつ進む、ショウでした!
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