東証の市場区分変更の影響は?~プライム・スタンダード・グロースの3市場に再編~

3つの市場 プライム・スタンダード・グロース

明けましておめでとうございます。昨年は大変お世話になりました。

今年も、ブログ「Road to 配当生活」を、どうぞよろしくお願いします!

 

 

現在、東京証券取引所は、東証一部・二部などの市場区分を再編して、プライム・スタンダード・グロースの3つの市場へ変更することを予定しています。

 

詳細がまだ決まっていない点はありますが、その変更内容の概要が、昨年の年末に発表されました。なかなか興味深い内容です。

 

今回は、この注目の市場再編はどのような内容になっているのか、そして、株式市場や株価に対して、どのような影響を与えるのか、考えてみたいと思います。

 

※以下は、2020年12月25日発表の東証の予定案(資料1資料2)に基づくものであり、今後変更される可能性がある旨、ご承知置きください。

 

再編の目的

そもそも、なぜ東証は、東証一部・二部などの市場区分を再編しようとしているのでしょうか。

 

再編は、東証によれば、「上場会社の持続的な成長と中長期的な企業価値向上を支え、国内外の多様な投資者から高い支持を得られる魅力的な現物市場を提供すること」を目的としています。

 

簡単に言えば、上場する企業のクオリティ(業績やガバナンス体制)を高めて、海外の投資家を含めたグローバルな投資マネーを東証に呼び込みたい、といったところかと思います。

 

つまり、現在の東証一部上場企業の中には、一部の名にふさわしくない、質の低い企業・なんちゃって東証一部上場が混ざっている、混ざるようなユルい上場基準になっている、と東証も考えているようです。

 

実際、現在の東証一部は、上はトヨタなどの超大企業から、下は時価総額数十億円の小さな企業まで、様々な企業が混在しています。

 

これは、現在の全体の上場会社数3,800社のうち、東証一部上場会社が2,200社(全体の約6割)もあるという点にも表れています。

最高クラスであるべき、東証一部上場の会社が、全体の6割を占めているのは、基準としてどうなのかというところですね。

 

こういった状況を見直して、世界の資金を東証に呼び込もうという試みは、我々個人投資家にとっても、ウェルカムだと思います。

再編内容の概要

現在:東証一部、二部、ジャスダック、マザーズ

再編後:プライム、スタンダード、グロース

 

上記の通り変更される予定です。再編後は、東証プライム上場企業、東証スタンダード上場企業とか呼ばれるようになるのでしょうか!?

 

●新しい3市場の区分は、いろいろな基準がありますが、ざっくり時価総額で言うと、下記のようになります。

 

1.プライム上場の企業

流通株式時価総額100億円以上、かつ時価総額250億円以上

現在の東証一部上場で、グローバルな事業を展開している企業というイメージです。

 

現在の東証一部上場企業2,200社のうち、約600社(約27%)がプライム市場の基準を満たしていないと言われています。

 

※流通株式時価総額=流通株式数×株価

流通株式とは、国内普通銀行・保険会社・事業法人等が保有する株式を除いた後の残りの株式のこと。つまり、親会社や、持ち合いをしている銀行などが持っている株式は除いて、計算しなければなりません。

なお、各企業の上位10社の大株主は、四季報に掲載されていますので、おおまかな流通株式時価総額を計算することができます。

 

2.スタンダード上場の企業

流通株式時価総額10億円以上

現在の東証二部上場の中堅企業というイメージです。

 

3.グロース上場の企業

流通株式時価総額5億円以上

現在の東証マザーズ上場の新興企業というイメージです。

再編のスケジュール

2021年 春:制度改正要綱の公表

2021年6月30日:移行基準日

2021年9月~12月:上場会社による市場選択手続き

2022年1月:上場会社の新市場区分の発表

2022年4月4日:新市場区分への一斉移行日

 

プライム・スタンダード・グロースの3市場に移行するのは、来年2022年4月4日です。あと1年と少しですね。意外と近い。

 

移行基準日が2021年6月30日となっています。

つまり、今年の6月末時点の株価に基づく時価総額などの基準を使って、プライム・スタンダード・グロースの区分が判断されることになります。この基準日までは、もう半年しかありません。

 

⇒但し、当分の間、経過措置(猶予期間)が設定されます。

例えば、現在の東証一部上場の企業が、プライム市場の基準を満たさなくても、制度移行後の数年間に限り、希望すればプライム市場に残れるという取扱いになるようです。

再編が与える影響

1.日経平均株価

日経平均株価は、東証一部上場企業のうち、代表的な銘柄225社を対象として、日本経済新聞社が算出している指数です。

 

⇒時価総額などから考えて、この日本を代表するような225社は全て、プライム市場に残るでしょうから、日経平均株価は、本件から受ける影響は比較的小さいと考えられます。

 

2.TOPIX(東証株価指数)

TOPIXは、東証一部上場企業のうち、”全て” の会社の時価総額を対象として算出されています。

 

よって、TOPIXの対象企業が、単純に、全ての東証一部上場企業2,200社から、全てのプライム上場企業1,600社(プライム基準に満たない企業が600社あるため)に変更になった場合は、TOPIXの算出結果に多大な影響が出ます。

 

また、TOPIXは、機関投資家や投資信託・ファンドが投資する、主要な基準・ベンチマークにもなっていますから、TOPIXの実質的内容変更は、莫大な投資金額に対して大きな影響を与えることになります。

 

例えば、TOPIXをベンチマークとする投資信託を買うということは、間接的に、TOPIX対象企業の株式を買うのと同じですから、各対象企業の株価にも影響します。

 

これらのTOPIXへの大きな影響を避けるため、東証は、新しい市場区分に関係なく、2022年4月1日時点の構成銘柄を継続してTOPIXに採用します。

そして、流通株式時価総額が100億円未満(プライム基準に未達)の銘柄は、「段階的ウエイト低減銘柄」に指定し、2025年1月末までかけて、TOPIXでの構成比率を徐々に下げることとしています。

 

⇒この東証の特別措置によって、新市場区分への移行の時点で、TOPIXが受ける影響は、限定的に抑えられると言われています。

 

⇒但し、2025年までかけるとは言え、上記の通り、プライム基準に未達の銘柄600社は、最終的には、TOPIXの対象から外されることになります。

それは、投資信託からのTOPIX買いの対象から当該600社が外されるという意味と同じですから、個別の当該600社の株価にとって、長期的にはマイナスの影響となると考えられます。

 

3.機関投資家の投資基準

機関投資家は、各社が独自の社内ルール・基準を定め、それに基づき、投資活動を行っています。

 

その基準の一つとして、そもそも東証一部上場企業以外の会社には投資してはいけないというルールを定めている、機関投資家や投資信託もあります。

 

このような場合、新市場区分への移行後は、プライム上場企業だけに投資するというルールになることが想定されますので、プライムから外された企業の株価にとっては、悪影響となります。

 

4.業績への影響

現在東証一部上場だが、プライム基準に未達で外された企業は、いわゆる格落ちとなります。

その影響が、人材の採用や資金調達にマイナスとなることも想定されます。

まとめ

日経平均の銘柄入替えや、東証一部への昇格発表が、1企業の株価に対して、かなりの影響を与えることは、よく知られています。

ましてや、今回は市場全体の区分の変更です。東証が一定の配慮をするとは言え、個別企業の株価に影響が出るのは避けられないと思います。

 

特に、現在東証一部上場だが、プライムから外される企業の株価は、長期的にマイナス影響を受ける可能性があります。

 

まずは、自分の投資先の企業のうち、東証一部上場の企業について、プライム基準(流通株式時価総額100億円以上、かつ時価総額250億円以上)を満たしているのかどうか、四季報などを見てチェックすることが必要かと思います。

 

もし、保有する株式がプライム基準に未達の場合は、本件に関して、今後の東証の動向について、より注意して情報収集する必要があります。今後の制度変更の影響次第によっては、売却するなどの検討もすべきかもしれません。

 

なお補足ですが、プライム上場企業が優れていて、スタンダード市場やグロース市場に上場する企業が駄目だと言っているわけでは当然ありません。

投資先の選択にあたっては、本件や業績を含めて総合的に判断すべきと考えています。

 

今日も配当生活への道を一歩ずつ進む、ショウでした!

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