三菱商事の2025年3月期本決算が発表されましたので、2025年度版の内容に更新しました。
8058三菱商事は、高配当株の一つで、私も現在保有しています。
高配当株の4つの買いの基準に照らして、三菱商事を検討します。

基準1.配当利回りが3%以上(税引前)
三菱商事の予想配当利回りは、約4.2%の高さ。基準1はクリアです。
基準2.直近5年以上、増配傾向が続いていること(最低でも前年の配当金額を維持していること)
三菱商事の配当金の推移
2016年3月期:16.7円
2017年3月期:26.7円(前年比60%増)
2018年3月期:36.7円(前年比38%増)
2019年3月期:41.7円(前年比14%増)
2020年3月期:44円(前年比5%増)
2021年3月期:44.7円(前年比2%増)
2022年3月期:50円(前年比12%増)
2023年3月期:60円(前年比20%増)
2024年3月期:70円(前年比17%増)
2025年3月期:100円(前年比43%増)
2026年3月期予想:110円(前年比10%増)
⇒2024年1月1日付で、1:3の株式分割を実施。上記配当は株式分割を考慮した額。
※2022年5月に上限700億円の自社株買いを発表
※2022年11月に上限700億円の自社株買いを発表
※2023年2月に上限1,000億円の自社株買いを発表
※2023年5月に上限3,000億円の自社株買いを発表
※2024年2月に上限5,000億円の自社株買いを発表
※2025年4月に上限1兆円の自社株買いを発表
三菱商事は、増配傾向を続けていることから、基準2もクリアです。
ここ数年は、増配率も二桁%以上を継続していて、株主還元を頑張ってくれています。
2016年5月の決算発表にて、三菱商事は、「累進配当政策」を採用することを対外的に発表し宣言しました。
累進配当政策とは、「減配せず、少なくとも前年の配当金額を維持するか、または増配を実施する」という配当方針です。
これは株主にとって、非常にありがたく、驚異的にメリットがあることです。
たとえ業績が悪い年でも、最低でも前年の配当と同じ金額は維持される上に、業績が好調な年は増配が実施されるのですから。
つまり、累進配当政策が継続される限り、株式を買った時以降、配当金が上がることはあっても、下がることはありません。
他の高配当の優良企業でも、実質的に前年配当維持または増配という配当政策を実施している会社はありますが、三菱商事のように、対外的に累進配当政策を公約までしている会社は多くありません。

そして、この累進配当政策の対外的な宣言は、日本のみならず、世界中の機関投資家・個人投資家への約束になりますから、非常に重みがあります。
減配しない累進配当なら、例えば三菱商事の配当利回りが4%の時に買えば、累進配当政策が継続される限り、購入後の将来にわたって、配当利回りが4%以上になります。
累進配当政策では、配当金は、最低でも前年の配当を維持するので、自分の取得価格ベースでの配当利回りが下がることもありません。

さらに、高配当株投資は、減配さえ避ければ負けることはありません。必勝です!
詳細は下記ご参照。

累進配当政策=前年配当維持 or 増配 ですから、「累進配当政策=減配なし」を意味します。
よって、三菱商事の累進配当政策が継続される限り、減配はありませんので、同社への投資で負けることはないんです。これは、投資家にとって非常に有利な点になります。
この累進配当政策を、三菱グループの中核会社で総合商社の雄の三菱商事が、国内と世界中の機関投資家・個人投資家に向けて対外的に宣言しています。
ですから、その王者の名にかけても、累進配当政策を簡単に変更することはない、と考えられます。
三菱商事の経営陣の株主還元・配当への意識は非常に高く、同社の減配しない累進配当は続いていくと考えられます。
基準3.倒産リスクがほぼ無いと考えられること
三菱商事は、売上高19兆円、時価総額11兆円、日経平均225銘柄の一つの超大企業であり、倒産リスクは限りなく低いと想定されます。
基準4.業績が好調または堅調であること
三菱商事は、総合商社として、資源エネルギー、機械、食品、化学品、金属、インフラなど各種の事業を行っています。
原料炭・銅・天然ガス・自動車・電力・水産(サケ、マスの養殖)などに、強みがあります。
就職人気ランキング上位の常連で、日本でも有数の優秀な人材が集まっています。
多数のグループ会社で事業を展開しており、千代田化工建設、ローソン(三菱商事とKDDIが50%ずつ出資)なども、三菱商事のグループ会社です。
事業基盤が分厚く、事業ポートフォリオのバランスが良いところが、三菱商事の強みです。
一つの事業で、ちょっとやそっとの損失があっても、他の事業でカバーできるため、びくともしません。
まさに、王者 三菱商事、盤石と言ってもいい企業体力です。安定感が違います。
2020年8月には、あの世界最高の投資家、投資の神様とも言われるウォーレン・バフェット氏(バークシャー社)が、日本の総合商社株を大量に購入しました!
もちろん、三菱商事もバフェット氏の買付けの対象です。
当時のバフェット氏の三菱商事株式の保有比率は5.04%。今後、最大で9.9%まで買い増す可能性があるとのことでした。
⇒その後、バフェット氏は三菱商事株式の買い増しを継続。2025年3月、保有比率は9.67%に。
これは、三菱商事の株価が割安だとバフェット氏が考えていることを世界に示した結果になり、発表後、三菱商事の株価は上昇しました。
⇒2023年4月には、バフェット氏が自ら来日。総合商社各社のトップと直接会談。
⇒2025年2月にバフェット氏が公表した「株主への手紙」では、今後、総合商社各社株式の保有比率を10%以上にする可能性も示唆。
2025年5月現在、バフェット氏は三菱商事の株式保有を継続しています。
2025年5月2日、三菱商事は、25/3期の本決算および26/3期の業績予想・配当予想を発表。
また、決算発表に先行して、4月3日には2027年度(28/3期)に向けた中期経営戦略2027を発表。
※出所:三菱商事2025年5月2日決算説明会資料
※出所:三菱商事2025年4月3日中期経営戦略2027
⇒2025年度(26/3期)は減益予想ですが、巨額の自社株買い1兆円実施に加えて、配当予想は増配率10%の110円(←前期25/3期100円)と大幅増配。
三菱商事は、減配しない累進配当政策を対外的に宣言していますから、
「来期27/3期以降の配当も110円以上を払い続けられる」という同社の見込み・財務的な自信に基づき、今期26/3期の配当予想110円を発表したことになります
⇒中期経営戦略2027によれば、2027年度(28/3期)の純利益は1兆2,000億円に成長する見込み。
三菱商事の高い配当利回りの配当金を受け取りながら、かつ巨額の自社株買い1兆円を眺めながら、同社の中期経営戦略の進捗を待つのも楽しみです。
三菱商事の業績の数字には、年により多少のアップダウンがありますが、おおむね業績は堅調であり、配当を維持できなくなるほど大きく悪化することはないと考えています。
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結 論
以上を総合的に考慮し、高配当株として、三菱商事は買いと判断しています。
特に、減配しない累進配当政策を対外的に宣言していることと、総合的な事業基盤の盤石さ・世界情勢への迅速な対応力・企業としての絶大な安定感が、非常に魅力的です。
ゆるやかに配当生活中のショウでした!


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