「親子上場解消」狙い大作戦!~東証の要請を踏まえて~

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親子上場解消大作戦!

 

昨年2023年12月26日、東京証券取引所は、少数株主保護及びグループ経営に関する情報開示の充実について公表しました。

 

これは、親子関係にある上場会社や持分法適用関係にある上場会社に対して、少数株主保護やグループ経営に関する適切な情報開示を行うように求めるものです。

 

なぜ親子上場しているのか、親子上場で親会社の利益が優先され少数株主(一般の投資家)の利益が害されることはないのかといった点について、説明を十分にしてくださいという要請です。

 

この要請は、昨今の親子上場解消の流れを後押しするものだと考えられます。

 

今回は、この東証要請を投資のチャンスとして捉え、どのような投資戦略を取ると良いのか検討してみました。

 

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親子上場とは?

子会社とは、特定の他社(=親会社)に経営を実質的に支配されている会社のことです。

 

典型的には、株式の保有比率が50%超の場合、親子会社関係です。

50%超の保有比率であれば、株主総会で取締役を選任または解任することができるので、支配されているという判断になります。

 

この親会社・子会社の両方ともが上場しているケースを「親子上場」といいます。

 

例えば、NTTとNTTデータは親子会社関係(※)ですが、両方とも東証プライム市場に上場しています。

※NTTは、NTTデータ株式を57.7%保有。

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親子上場のメリットとデメリット

一般的に、親子上場には、以下のようなメリット・デメリットがあると言われます。

 

≪メリット≫

・上場子会社自体が、株式市場を使った資金調達(株式発行、社債発行)ができる。

・上場子会社の信用力がアップする。

・上場子会社の独立性や社員のモチベーション向上、優秀な人材の採用にプラス。

 

≪デメリット≫

・グループ全体の意思決定のスピードが遅れたり、内容のズレが生じる恐れがある。

・上場子会社の利益の一部が、配当金などで親会社以外の株主(=少数株主)に外部流出する。

親会社の利益が優先される可能性があり、上場子会社の少数株主の利益が損なわれる恐れがある。

・上場関係費用がかかる。東証に支払う毎年の年間上場料や社内コスト(専門資料の作成や人的コストなど)

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今回の東証要請の内容

東京証券取引所は、2023年12月26日に「少数株主保護及びグループ経営に関する情報開示の充実」を発表。

 

親子上場に関する東証の通知

※出所:東証2023年12月26日「少数株主保護及びグループ経営に関する情報開示の充実

 

⇒これによって、東証は、親子関係にある上場会社や持分法適用関係(※)にある上場会社に対して、少数株主(=親会社以外の株主)の保護やグループ経営に関する情報を適切に開示することを要請しています。

※保有比率20%以上など会社の意思決定に影響力を有する関係

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今後の想定される流れ

東証は、なぜこのような要請を出したのでしょうか。

それは、上述の親子上場のデメリットの中でも、下記を強く懸念しているからと考えられます。

 

親子上場は、

親会社の利益が優先される可能性があり、上場子会社の少数株主の利益が損なわれる恐れがある。

 

これは、その上場子会社への投資家目線で考えると、より強い懸念になります。

 

自分が投資した会社・投資しようと検討中の会社には、親会社が存在し、親会社の利益を優先されてしまうのではないかという恐れです。

そんな恐れがある会社には、あまり投資したくないですよね。

 

また、海外では親子上場の実例は少ない(親子上場の割合は日本6.1%、米国0.5%、英国0.0%)ため、親子上場について、海外機関投資家からの理解は得にくいです。

 

そもそも、上述の親子上場のメリットも、資金調達の点を除けば、フワッとした理由であって、明確に数字で示せるものでもありません

 

その資金調達も、上場親会社の信用力でまかなえます

上場親会社が株式市場や銀行から資金を調達して、(お金に色は付いていないので)余裕資金を子会社に貸せばいいわけです。

実際に、多数の上場企業は、自社グループ内の非上場の子会社に対して、貸付けや金融機関への親会社保証などで資金面のバックアップをしています。

 

つまり、親子上場している会社は、今回の東証要請もありますので、なんだかんだと親子上場の理由を開示するでしょうが、突き詰めて言うと、ほとんどが本当は理由にならない理由です。

 

なぜなら、その理由(資金調達や信用力など)は、別に子会社自身が上場していなくても、上場親会社があれば実現できるものだからです。

子会社は非上場であっても子会社であり、上場親会社の信用力を利用できます。

 

ですので、合理的に考えれば親子上場させる理由は無いはずだと投資家から指摘されても、仕方がありません。

東証も機関投資家もアクティビストファンドも、厳しい視線を向けています。

 

いろんな個別事情や沿革はあるにせよ、バッサリと言えば、大多数の親子上場会社は、バブル時代など上場がステータスであった時に次々と子会社を上場させた名残りが、今まで惰性で続いてきた状態と言ってもいいでしょう。

 

このような状況の中で、今現在起きているのが、「親子上場解消の流れ」です。

 

具体的には、上場親会社が上場子会社に対して、TOB(株式公開買付け)を実施し、完全子会社化・上場廃止を行うといったケースが増えています。

 

例えば、NTTとNTTドコモは、かつては両方とも上場している親子上場の関係でしたが、NTTがNTTドコモの株式をTOBで買い集め、ドコモをNTTの完全子会社(100%子会社)とし、ドコモは上場廃止となりました。

日立製作所グループなど他の企業グループも、同様に子会社の再編を行っています。

 

上場親会社としても、非上場化して完全子会社にすれば、連結決算で子会社利益を100%取り込むことができ、グループ戦略の意思決定の迅速化も図れます。

 

一方、今回の東証要請は、暗に「親子上場の合理的理由なんて、突き詰めれば本当は無いんだから、上場子会社はさっさと非上場化してください」と言っているようなものです。

 

今後、親子上場の会社に対しては、今回の東証要請に基づく理由の開示などを行っても、「なぜ親子上場しているんだ?、理解できないよ」という国内・海外投資家からのプレッシャーが強くなると推測されます。

 

よって、今現在も生じている「親子上場解消の流れ」がどんどん大きくなっていく、具体的には親子上場会社間のTOBによる完全子会社化・非上場化のケースが増えていく、と考えられます。

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東証要請を踏まえた投資戦略

今回の東証要請を踏まえた投資戦略は、以下の通りです。

 

『親子上場している上場子会社の方の株式を買っておき、配当金を受け取りながら、上場親会社からのTOBをゆっくりと待つ。』

 

⇒そのまんまですが、名付けて「親子上場解消狙い大作戦」です(笑)

 

TOB(株式公開買付け)をする際、通常はプレミアムが付きます

例えば、現在の株価1,000円の企業にTOBをする際、1,200円での買付けを宣言し、高く買い取ります。この差額200円(20%)がプレミアムです。

株式市場での現在株価よりも高く買い取らないと、誰も売ってくれないので、プレミアムを付けます。

プレミアムが付くため、TOBされる上場子会社の株主は、取得価格にもよりますが、通常は儲かるケースが多いです。

 

⇒上述のように、親子上場解消の流れが今後強まると予想されるので、あらかじめ上場子会社の方の株式を買っておいて、TOBで儲ける作戦です。

(なお、親子上場解消のTOB狙いは有名な投資戦略の一つですので、実行している投資家も結構いるようです。今回は、これに以下の配当利回りの観点を加えて、工夫を加えます)

 

⇒さらに、投資する上場子会社については、一定の配当利回り(1%~2%程度以上)の企業を選びます。ある程度の配当利回りがある上場子会社を選ぶのがポイントです。

 

親子上場解消の流れはありますが、上場親会社からのTOBが実際に行われるのかどうか、行われるとしてもいつになるのか、分かりません。

 

しかし、一定の配当利回り以上の上場子会社を選ぶことで、配当金を受け取りながら、TOBをゆっくりと気長に待つことができます。

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具体的な親子上場会社のピックアップ

親子上場していて、上場子会社の配当利回りが1%~2%程度以上の会社をピックアップしてみました。

 

左が上場親会社、右が上場子会社です。( )は、2024年1月26日現在の配当利回り。

ヤフーファイナンスの企業概要ページのリンクを付けていますので、ご参考にしてください。

 

・AGC(旧 旭硝子) → 伊勢化学工業(配当利回り3.4%)

・伊藤忠商事 → 伊藤忠エネクス(配当利回り3.3%)

・三菱商事 → ローソン(配当利回り3.0%)

・KDDI→ 沖縄セルラー電話(配当利回り2.8%)

・伊藤忠商事 → プリマハム(配当利回り2.7%)

・信越化学 → 信越ポリマー(配当利回り2.7%)

・キリンHD → 協和キリン(配当利回り2.3%)

・住友商事 → SCSK(配当利回り2.0%)

・イオン → ウェルシアホールディングス(配当利回り1.4%)

・ハウス食品 → 壱番屋(配当利回り1.3%)

・NTT → NTTデータ(配当利回り1.1%)

 

⇒親子上場解消狙い大作戦は、右側の上場子会社の株式を買っておいて、配当金を受け取りながら、親会社のTOBを待つ戦略です。

 

※なお、上記リストは、あくまでも投資先の候補です。単に上場子会社という理由だけで買うのではなく、自分できちんと企業内容を調べて納得した上で投資することが大事になります。

 

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まとめ

親子上場解消の流れは、既に始まっています。

そして、今回の東証要請は、その流れを強く後押しするものです。

 

比較的配当利回りが高めの上場子会社に投資する、今回の親子上場解消大作戦は、狙いが当たった時は、親会社のTOBによって、大きなキャピタルゲインを得られます。

その上、親子上場が続いている間は、配当金(あれば株主優待も)をもらいながら、じっくり待つこともできます。

 

一石二鳥の作戦です。

親子上場の会社は、上述以外にもたくさんありますので、皆さんも、狙えそうな上場子会社を探してみてください。

 

投資はギャンブルではありませんが、宝くじ的な要素もあるので、親子上場解消狙いの銘柄を探すのは、結構楽しいです。

あくまでも、メインの投資対象としてではなく、サブ的な位置づけで親子上場解消狙いの銘柄に投資するのも良いと思います。

 

今日も配当生活への道を一歩ずつ進む、ショウでした!

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