※本記事は、2022年版に更新しました。下記ご参照ください。
東京海上ホールディングスの2021年3月期本決算の発表がありましたので、2021年版の内容に更新しました。
8766東京海上ホールディングスは、高配当株の一つであり、私も現在保有しています。
本ブログに書きました、高配当株買いの4つの基準に照らして、東京海上ホールディングスを検討します。
基準1.配当利回りが3%以上(税引前)
東京海上ホールディングスの予想配当利回りは約4.2%の高さ。基準1はクリアです。
※普通配当ベースでの配当利回り
基準2.直近5年以上、増配傾向が続いていること(最低でも前年の配当金額を維持していること)
東京海上ホールディングスの配当金の推移
2015年3月期:95円
2016年3月期:110円(前年比16%増)
2017年3月期:140円(前年比27%増)
2018年3月期:160円(前年比14%増)
2019年3月期:180円(前年比13%増)
2020年3月期:190円(前年比6%増)
2021年3月期:200円(前年比5%増)
2022年3月期予想:245円(前年比23%増)
※上記記載の配当金の額は、一時的な配当を含まない、普通配当のみの数字です。
※20/3期と21/3期に、普通配当とは別に、資本水準調整のための一時的な配当35円を実施。
東京海上ホールディングスは、毎年増配を継続していることから、基準2もクリアです。配当金の前年比増額比率も、なかなか立派な数字です。
コロナショックの中でも、普通配当ベースで増配を続けています。経営陣の強い意志を感じます。
また、2021年5月の決算発表にて、22/3期における資本水準の調整について、以下内容を発表しています。
「・資本水準の調整(自己株式取得および資本水準調整のための一時的な配当)は、透明性向上を図る観点から、年間の総枠を設定します。
・2021年度の総枠は1,000億円としますが、当社は成長投資を優先する方針としているため、事業投資(ボルトオン投資などの中小規模のM&A)との合算の金額とします。
・資本水準の調整は、期中に機動的に実施します(個別の自己株式取得、資本水準調整のための一時的な配当に関する決定は、取締役会において決議の上、都度お知らせします)。
・事業投資については、総枠の範囲内に限定しないため、事業投資と資本水準の調整の合計が総枠を超える場合があります。また、大型M&Aについてはこの枠とは別に積極的に検討する方針です。 」
⇒つまり、2021年度(=22/3期)の枠として1,000億円を用意している。
⇒この年間1,000億円の枠は、以下の3つのいずれか、または全てのために使用する。
①自社株買い
②資本水準調整のための一時的な配当
③事業投資(中小規模のM&A) ※大型M&Aは別枠
⇒東京海上ホールディングスの発行済株式総数は、約7億株ですから、1円の配当金を出すには約7億円が必要です。
⇒現時点で、総枠1,000億円が上記①②③にいくらずつ割り当てられるかは決定されていませんし、枠があっても、全額使い切るとは限りません。
⇒しかし、仮に②の一時的な配当に、総枠の3分の1弱程度の280億円を使うだけでも、1株当り配当金40円の増配が可能になります(7億株×40円=280億円)
ちなみに、昨年21/3期の一時的な配当は、1株当たり35円でした。
⇒例年、この資本水準調整のための一時的な配当の額がいくらになるのかについて発表されるのは、11月の中間決算発表の時ですので、今年も秋が来るのが非常に楽しみです!
なんだか、ボーナスをもらうような嬉しさがありますね。
⇒その後、2021年11月19日の中間決算発表において、増配を発表!(従来の配当予想215円を245円に増額)
※自社株買いの発表
・2021年6月28日:300億円
・2021年9月13日:300億円
・2021年12月21日:400億円
⇒2021年度は、3回で合計1,000億円の自社株買いを発表し実施。
東京海上ホールディングス経営陣の株主還元・配当への意識は非常に高く、今回のコロナショックにおいても、そして、あのリーマンショックの時ですら、減配していません。
東京海上ホールディングスの増配傾向は続くと推定されます。
基準3.倒産リスクがほぼ無いと考えられること
東京海上ホールディングスは、売上高5兆円以上、時価総額3兆円以上、日経平均225銘柄の一つであり、倒産リスクは限りなく低いと想定されます。
基準4.業績が好調または堅調であること
東京海上ホールディングスは、損害保険で国内首位のメガ損保会社で、傘下に生命保険会社も有しています。
海外進出にも積極的で、欧米を軸にアジアも含め海外M&Aで拡大を続けています。利益構成比では、国内・海外で半々くらいのイメージです。
保険会社は、保険購入者から、まず保険料を ”先に” もらいます。
そして、その後、数か月後か数年後か分かりませんが、保険対象の事故が発生した場合にのみ、保険会社は保険金を、”後払いで” 保険購入者に支払います。
もちろん、何も起きなければ、保険金を支払う必要はありません。
保険会社は、受け取る保険料については、数学的・統計学的に事故の確率に関して、厳密な計算を行った上で、決定しています。
ある意味、自分たちが99%以上の確率で損をしないように、保険料を設定しているわけです。
したがって、天文学的な確率の、めったに起こらない事故・災害が立て続けに何十回も起こらない限り、保険会社が損をすることはありません。
このように、保険会社のビジネスモデルは、胴元である保険会社に、先にお金が入ってきて、支払いは後、または払わなくてもよいという、キャッシュリッチな事業です。しかも、入ってくるお金(保険料)に利子を付ける必要もありません。
そのため、保険会社は非常にキャッシュが豊富で、常に投資先を探していますし、株主に支払う配当金のための現金もたくさん持っています。
この特長があるため、あのアメリカの著名投資家、ウォーレン・バフェットも保険会社が大好きです。バフェットも、これまでに保険会社に巨額の投資をしています。
こんなに有利なビジネスなんて、可能なら私も胴元になって、保険事業をやってみたいくらいです(笑)
直近では、新型コロナウイルスの影響で、事業環境が悪化している面もありますが、反面、事故が減少して保険金支払いが減ったり、長期的には、生命保険や医療・入院保険はもちろんのこと、コロナで経済的に苦しんだ人々や、経済的リスクに備えたい人々からの、所得補償保険などへの需要が増えることも予想されます。
事業基盤の固さは岩盤のようであり、業績の数字には、年により多少のアップダウンがありますが、業界首位の会社として、おおむね業績は堅調で、配当を維持できなくなるほど大きく悪化することはないと考えています。
結 論
以上を総合的に考慮し、高配当株として、東京海上ホールディングスは買いと判断しています。
特に、毎年のように行われる増配と、保険事業の特性としてのキャッシュリッチなところ、すなわち配当金支払いのための現金を豊富に持っている点が、非常に魅力的です。
今日も配当生活への道を一歩ずつ進む、ショウでした!
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